死に花が咲く
□死神アリスの作り方.後編
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一息ついて、また話を始めようとしたアリスをクラウスは止めた。
「え…ちょっと待って。その死神って?」
「………覚えてない。…………でも」
「でも?」
「笑顔が怖かった。嘲笑うようなそんな笑顔で私と話してた。」
「そう…あ、アリスが人間だった頃の名前とかは?」
「忘れた。多分、私はその名前をちっとも好いていなかったわ。」
「…………そっか。ごめん、話の腰おっちゃったね。」
大丈夫よ、と小さく呟いてまたアリスは話始めた。
その表情は
昔を懐かしんでいるように
優しくて
綺麗で
儚くて、
触れれば砕けてしまいそうだった。
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