本棚
□恋、のち/恋。
3ページ/3ページ
『ハァ…ハァ……』
「なんかごめん。」
『いや、別に良いけど。どうしたの?』
「嫌だったんだ…」
『へ?』
古市は唇を悔しそうに噛み、私に向き直った。
「俺もアヤのことが好きなんだ!」
『…』
一瞬時が止まったように感じた。
「そんな気分じゃないってことはわかってる。だけど、俺はお前を誰にも渡したくないんだ!」
『…〜ッ!///』
(なんか、今の古市が何気に格好良い!)
「なぁ…アヤは誰が好きなんだ?」
『う〜ん、そうねぇ…』
私…
こんなこと、始めまして考える。
自分自身、そんなことなんてわからない。
でも…私、今わかったかも。
『恥ずかしいからヒントだけ。』
「おう…。」
『その人は、女子好きで…毎日ヘラヘラしてて…。だけどいざという時に凄く頼りになるし、カッコイイ///』
私は恥ずかしさの余り、後ろを向いた。
「そいつってこの学校にいる奴か?」
『もち』
「女好きでヘラヘラ…そんな奴、いたっけ?」
えぇいます。
私の目の前に…。
『さらにいうと、銀髪でね…!こんな私にも…紳士的な態度をとってくれるしね。それで、なによりも友達思い!頭良いのにこのわざわざこの学校にいてね…!』
「ちょっとタンマ!」
『ん?』
「あのさ、そいつって今目の前にいて喋ってる奴だったりするのか?」
『うんうん♪そうだよ!今、一緒にってえええぇぇ!?何故わかった!エスパーかっ!?』
「落ち着こうか!」
沈黙。
「あのさ…」
『ん?』
「俺さ…今、超嬉しい!」
『そ、そう?///』
「アヤ…可愛い」
『ありがと…///』
「すごく、キスしたい…!」
『///』
(いきなりやるのっ!?)
「ねぇ…良い?」
『うん…良いよ。///』
その途端、唇に柔らかい感触がした。
『…///』
「…ヤバい。」
『へ?』
「もういっかい…したい!」
『は、恥ずかしい///』
「へへ♪隙あり!」
チュッ
再び、唇にさっきと同じ感触がしてきた。
「本当に可愛いよ?アヤ…」
『〜ッ!///』
この日、始めて"恋"というものを知った。
男鹿(アイツ等なにしてんだ?遅ぇぞ。)
・