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□恥ずかしいけど・・・
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私は今王宮で働いてます。
前までは普通の旅人でしたが、突然シンドバッド様にスカウトされてこの王宮で働いています。
そんな私にもなんと"春"というものがやってきました。
同じ王宮で働いているジャーファルという銀髪で、いつもシンドバッド様と一緒にいる方とつい先日交際を始めました。
・・・と、言っても実際はミスすらしたことないですが(笑)
でも、私はこのままでもいいなって思ってたりします。
だって今ものすごく幸せですから!
でも・・・・・・
『よいっしょっと!』
ガササッ
『?』
私は洗濯物を干すために外に出ているのですが、さっきから妙な気配がするのです。
だから気が気で溜まりません!
もしかして、敵が侵入して来たとかだっから・・・!
とか、考えてしまってもうずっと足が震えてます。
「ねぇ、おねいさん?」
『ヒグッ!?』
「あれ、ビックリしちゃった?」
『・・・(ブルブル)』
私は音がしたほうから出てきた少年に過剰反応をしてしまった。
『あ、その・・・ゴメンね。』
「ううん。僕こそ驚かしてごめんね!」
その少年はそう謝ると私に無邪気な笑顔を見せた。
『あの・・・さっきから私について来てたのって君なの?』
「うんっ!あ、僕は"アラジン"っていうんだ!」
『アラジン君かぁ。・・・それで、あの・・・・・・アラジン君は侵入者なの?』
「えっ!違うよ!今日からお世話になるから挨拶しに来ただけだよっ!」
『そうだったんですか・・・!なんか、スミマセン・・・』
「ううん♪だっておねいさんは知らなかっただろうからしょうがないよっ!」
『ありがとうございます。』
「僕はここのことをあまり知らないんだ。だから、ここの人達にいろいろ聞きまくってるんだぁ♪」
『そうなんですか。私に何か質問があるのですか?』
「うんっ♪」
アラジンはニコッと笑った。
「ねぇ、ジャーファルさんについて何か知ってることってある?」
『え、あ・・・はい。(いろいろと)」
「何か教えてほしいな」
『う〜ん・・・そうですね。・・・簡潔に述べますと、真面目です。』
「ふーん、そうなんだっ!」
一瞬胸がドキッて高鳴ったような気がした。
ジャーファルという単語を聞くだけでこうなってたらこの先どうなることやら;
「ん、アヤさんでしょうか?」
『ッ!!』
「あ、ジャーファルおじさんっ!」
私は突然の登場でまたもや寿命が縮まりました。
「噂をすればなんたらってこのことを指すのかなっ!」
「?」
なんのことやら、と呟いたジャーファル。
『休憩ですか?』
「はい。」
ひとまず落ち着いて私はジャーファルに問いかけた。
それにしても、なんかいつもと雰囲気が違うような気がするんですが・・・
「あの、それ以上の質問は私が受け付けますので・・・(これ以上私のアヤに近づかないで下さい。)」
「突然どうしたんだい、ジャーファルおじさん?(いやだね!)」
「私は今からアヤとしないといけないことが沢山ありますので、質問は次の機会にお願いします。」
「え〜?僕だってアヤおねいさんと今おはなししたいな〜・・・」
バチバチと二人の間に火花が散った。
『あ、あの・・・(なんだかわからないけど私は逃げたほうが良いのかな?)』
「さぁ、アヤ。こんなお子様なんか相手にしないで私と大人的な遊びをしましょう」
『えっ!?い、いきなりどうしたんですかっ!?』
「いいから行きましょう・・・・・・私の部屋へ」
『なんか身の危険を感じるのは気のせいでしょうかっ?』
「気のせいです。さぁ行きましょう」
グイッ
『・・・ッ!!』
私はいきなり腕を捕まれて、体が硬直してしまっています。
てか、こんな積極的なジャーファル、初めてなんで・・・
嬉しいは嬉しいけど、なんかこう密着すると、何か・・・
『は、恥ずかしいです〜〜ッ///』
バッ
「?」
私はあまりの恥ずかしさに耐えきれず、その場から逃走してしまいました。
・・・
『はぁはぁ・・・』
私は自分の部屋に戻り、さっきのことをもう一度考えた。
『あんな、人前で触られるだけで固まってしまうなんて、私ってホントにチキンだな・・・きっと、あの人も変に思っただろうな』
『はぁ・・・』
溜息が漏れた。
「アヤおねいさん!」
『また君・・・?今度はどうしたの?』
またまたいきなり現れたアラジンに少々驚いたが、あえてスルーすることになった。
「ちょっと、気になってね・・・!」
『ふ〜ん、何が?』
「あのさ、アヤおねいさんはジャーファルおじさんのことをどう思ってるの?」
『・・・頼れる存在かな。・・・そして、"おじさん"はやめたほうが良いですよ。できれば、"ジャーファルさん"と呼んで下さい。』
「・・・?じゃぁ、僕もさっきわかったこと言うよ!」
『?』
何がわかったんだろう?
と、私は疑問に思った。
「ジャーファルさんってアヤおねいさんのことが大好きなんだねッ!!」
『ッ・・・!』
そんな、笑顔で言われても困ります。
でも、そこを否定したくない私がどこかにいて・・・
『そ、そうなんですか。それは、良かったです』
「・・・」
アラジンは微妙な顔をしているけど、きっと私は笑顔だと思う。
時にはこんな日もいいかと密かに思った私であった。
END