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□君が好き
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『ん、何処かなぁ…?』


私はあれから30分ぐらい探しているがなかなか見つからないことに疑問を感じた。




『…(なんか、嫌な予感がするから引き返そう。)』


私が来た道に振り返ると、そこにはゴツゴツとした色黒な男達があとをつけるように私に近付いてきた。



『な、なにか用ですか?』

私は怖いが、勇気を出し、その男達に声を掛けた。


「君、可愛いねぇ〜!いくらで遊んでくれる〜?」
「こらっ!兄貴、あの子は俺の獲物だって言ってるじゃんっ」
「めっちゃ可愛いお嬢さんだね。」


『…へ?』

私は男達が言ってることが理解できなかった。


「おいおい、無自覚かよ。」

「君の仕草は男を誘惑するんだよ〜?」

「そうそう。だから、金出すから抱かせてくれよぉ」

『ッ!!!』

ヤバい。



私はそう感じた。




逃げよう。



…と思ったけど、それはできなかった。

私の身体は既に男達によって拘束されていたのだ。

『ヒッ…!』



誰かっ!

助けて…!!


そう叫ぼうとしたら前にいた男に口を塞がれて、声が出なくなった。



「さぁ〜て、邪魔な洋服は脱がしましょうね〜」


『ッ!!…うぅ…!』


男が私の服をめくりあげようと、私の服に触れた時…

「こらーーッ!!!」

遠くから怒鳴り声が聞こえてきた。




「僕のアヤおねえさんを虐めるなぁーーッ!!!」


アラジンが怒りながら、ウーゴ君の上に乗ったままの状態で助けにきてくれた。



「「「ひぎゃーーーっ!!!」」」



男達は恐怖を感じてあっという間に逃げて行った。


『あ、アラジン…!』

ありがとう、


と言おうとしたが、涙が出てきてしまったため、言えなかった。


「…何も喋らなくて良いよ。」

『うっ……ヒック…グスッ………』

「遅くなってゴメンね。怖かっただろう?」

そう言ってアラジンは優しく私を抱きしめてくれた。



『…っ、そんな…!謝らないで……!アラジンは何も悪くないから…!』
「いや、僕の責任だよ。」『………』


私はアラジンの暖かさを感じて、涙が止まった。



「ねぇ、アヤおねえさん。約束して?」
『何を…?』


アラジンはいつものあの可愛い笑顔ではなく、とても格好良い笑顔をした。

「もう隠れて修業しないでちゃんとみんながいるところでしてくれないかい……?」
『…!』


やっぱり、気づかれてたみたいだ。


うまくばれないようにやってた気がするんだけどな…

私は目を伏せて頷いた。




『うん。約束するよ…』

なるべく笑顔でいようと、笑顔を作ろうとしたが今はそれさえできなくなってしまったようだ。



「ねぇ、もっと信用できるように忠誠を誓って良いかい?」

『う、うん…』


アラジンは優しい笑顔で私を見つめた。


「僕はこれから、何が起きようと…絶対にアヤおねえさんを守るよ。」

『えっ……///』


私はアラジンの意外な格好よさに胸が高鳴り、顔の温度が熱くなった。





チュッ


『ッ!!!??』




頭の中が、真っ白になったような気がした。


「フフッ。可愛い反応だね!」

『あっ……!うぅっ…///』


とうとうパニックに陥り、私の言葉は意味がわからないようになった。

「このキスはね、忠誠のキスだよ?」

『はぅ…///』


もう、何が何だかわからなくなってきた私。

でもアラジンはお構い無しに続けた。



「そして、これは…」


またもやアラジンが私に接近してきたと思ったら、今度はさっきとは違うキスをされた。

『んんっ……はぁ…』



「愛情の、キス…だよ。」
『っ///』


アラジンは妖艶な笑みを浮かべると、また私を優しく抱きしめた。

「僕はアヤおねえさんの全てが好きで、好きで、堪らないんだっ!…だから、もうあんな怖い目に合わせたりしないからっ……だから、…」

『う、うん…』




「大事にするって約束するから…ぼ、僕と付き合ってくれないかな?アヤ……」

『う、…うん!』




ど、どうしよう!

私はあまりの嬉しさに、つい口元が緩んでしまった。


『凄く…嬉しい。私で良ければ、どうかふつつか者ですがよろしくお願いします!』

「うん!」




ちゅっ


今度は私からキスをした。

「っ!」

アラジンはビックリした顔をして、しばらく私を見つめた。


『ふふっ。私だって、年上なんだから仕返しだってするわよ?』

「〜っ!反則ッ!!!今の無し!」


『んー、何ー?聞こえなーいw』
「意地悪〜!」













そして、私達は仲間の元へ帰った。

これからはどんな未来が待ってるんだろう…?



これからがもっと楽しみになりました。











END
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