*H×H novel*
□君以外を、君以上に(前編)
1ページ/4ページ
君を想う
しぐさ
言葉
触れてくる手
全てが愛しくて
だけど
愛しければ愛しいほど
愛すれば愛するほど
不安になる
これ以上
この気持ちが育ってしまったら
後戻りできなくなるかもしれない
あなた以外を
あなた以上に
好きになることが
できなくなるかもしれない
そうわかっていても
好きで
大好きで
愛しくて
愛してるから
気持ちが入り混じって
―僕が僕でなくなる―
*****
『こんにちは、キルア君』
彼女はいつも優しい微笑みを絶やさない
素敵な女性だった。
『ちわっ』
『こらっ!“こんにちは”でしょ?』
こつんとキルアの額をつく。
『…こんにちは』
少し照れたように俯いて言いなおす。
ふわっと甘く優しい香りがして
『よし!よくできましたっ』
彼女が頭をなでる。
とても好きだった。
好きというより
むしろ
憧れに近いものがあった。