BASARA書物庫
□月光
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貴方は皆の闇を照らす月ー…。
それを守る星は俺でありたい。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「…政宗様…お体を大事にして下さい」「うるせぇ…俺は…みんなを守らなきゃならねぇんだよ」
決して健康的ではない白い肌は月夜に怪しく映えている。
至る所に包帯を巻かれているのが痛々しく、小十郎が気にするのも当然だった。
「…貴方は…直ぐに周りを見失う」
政宗が傾けていた杯を投げる、小十郎は避けるでもなく、それを体で受け止める
「オメェ…俺に指図すんのか?」
小十郎は眉間に皺を寄せ首を振る
「…皆が貴方を心配しているのです。」
(大切な人だからこそ…)
奥州を守るとか、そんな立場を思っているわけではなかった。
皆が政宗に救われ、政宗を慕う。
「…ふん。宝を守って何がわりぃんだよ小十郎…」
小十郎は真っ直ぐに政宗を見つめる
「…俺らには、貴方が【宝】なんですよ…」
誰にも変われない、【月】
幼少から見つめてきた【月】
それを守り、生きてきた
そしてこれからも…
「…貴方は…俺を」口に出しながらその身体を優しく抱き締める、一瞬政宗の身体が震える
その手はゆっくりと臀部に触れ撫でられる。
「こじゅ…やめやがれっ」
体が反応する、逞しい掌からは想像できないほどの、優しい温もり。
「貴方が望むように…俺は従うだけ」
政宗は、愛撫に朦朧としながら、眉間に皺を寄せ
「…っ…めぇ!」
悪態はついてみるが小十郎はそれを愛しく見つめる。
「…嫌だと申されるなら、今すぐに止めますよ」
腕の中の政宗は舌打ちする
「…言え」
「…」
「…抱きたいんだろ?!」
「…そう言えば良いんですか?」
突然政宗の手が小十郎の頬を打つ、平手打ちを浴びながら小十郎は黙って俯いている
「…俺はお前に聞いてんだ!」