三国書物庫

□YOU...
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「なあ、岱。最近子龍が俺を拒むのは何でだろう?」
「…また、得意の惚気でしたら、聞きたくも有りません…」
執務室で書物の整理を任された岱のもとに現れた孟起はなんとも煮え切らない顔をしている。
忙しく働く岱の怒りを買うには十分だった。
「…いつまで、ウダウダしているのですか?兄上」
「な〜岱〜あっ!!!」
だらだらと岱に纏わり付こうとした孟起の足が、整頓された書物の山に触れ、音を立て崩れる
「…あ〜に〜う〜え〜!!失せなさい!!」
++++++++
「ちっ、岱の奴…思い切り殴ったな…」
片方の頬を撫でながら歩いていると、向こうから趙雲がこちらに向かって歩いてくる、が。
馬超を見つけるなり踵を返し走り去ってしまった。
「子龍!!」
呼んでも振り向こうとしない。
そのうち姿を見失ってしまった。
「何が…どうなっているんだ??」
+++++
「岱殿…」
書物に目を通したままの岱に、趙雲は話しかける。
「なんですか?」
「もう…許して貰えないか?こんなこと…。」
岱はそのままの状態で苦笑する。
「嫌だと言ったら?」
「貴殿は…私が憎いのか?それとも…」
「兄上が、憎い。」
岱は立ち上がり、趙雲の前に立ち、自分の衣の裾を捲り下半身を剥き出しにする。
「貴方を、独占し、その体を愛する兄が憎くて仕方ない。」
趙雲はしゃがみこみ、剥き出しの猛りを口に含み、ゆっくりとくわえ込んでいく。
岱はその頭を掴み、上から見下ろす。
「兄は…今の貴方の姿を見たらどう思うだろう…もちろん言いませんよ?貴方と私だけの秘密ですよ。」
秘密を守るのは、少なくとも己の為、
趙雲を己の下に留めて置くだけの事。
「貴方も、兄と私を間違えなければ、このような目に合わずに済みましたのに…」
心にも無い言葉を落とす。
趙雲は眉間に皺を寄せ、銜え続けている。
「失言でしたね…」
苦痛の表情にすら胸が高ぶりを覚える、
岱は趙雲の口から昂ぶった自身を放し、趙雲を寝台に押し倒すとまだ濡れていない其処に自身を捻じ込んだ
「ッんん!!!」
痛みに顔を歪める趙雲の手首を縛り柵に縛り付ける
「逃がさない…」
何か言おうとする口を唇で塞ぐ。
「んっん!!」
開放し、趙雲をうつぶせにして口元を布で覆い、腰を激しく揺らす。
「兄上には、言えないでしょう?」
「!!」
「ならば、堪えるしかありませんね?」
涙ぐんでいる趙雲の顔に白濁した液をかけると岱は微笑む。
「貴方を、愛していいのは…この、私だけ…開放されたいなら、兄に言うしか手立てはありませんよ?」
液にまみれながら、趙雲は岱を睨み付ける。
岱はそれに動じる事無く皮肉に笑うだけだった。
「共に堕ちましょう?趙雲殿…」
髪をわしずかみもう一度口付けた。
++++++
鍛錬の最中に馬超が趙雲を捕まえる。
「何で避ける?」
怒りを露にしている馬超の後ろで岱が口元を歪めている、趙雲の背中に悪寒が走る。
「何でも…ただ、執務が忙しいので、今は一人にして下さい…」
視線を反らす、馬超はそれを不振に思わずにいられない様子だ。
「俺とでも、出来るだろう?」
「いえ。一人のほうが…捗りますから…失礼。」
「お前…何か隠してるだろ?」
「何も。」
刺して気にも留めない様子で答えるが、馬超は掴んだ腕を放さない。
「お前は…俺と話す時、目を反らさない。」
「…そんな事は、ありません。」
こめかみの辺りから冷や汗が零れる。
いつも目を見つめていた。
自分の、彼に対する愛と忠義の証明。
それが出来ない。
ただ、苦しい。
血を吐くような苦しみ、
例え、命を落とそうとしても、話しては成らない、話せない秘密…
「子龍…」
「もう、行きます。離してください!!」
腕を無理矢理振り解く、
背中を向けると耐え切れず零れだす涙に気付かれまいと、その場を走り去った。
自室に戻り寝台に顔を埋め、趙雲は声を出さずに泣いた、握り締めた手から血の雫が敷布を紅く染めていく
「私は…どうすればいい?」
+++++
「兄上。子龍殿に嫌われたのでは?」
「そんな事は有得ん。」
「でも、今の態度は明らかに…」
馬超は槍を岱に向ける。
「それ以上言ってみろ…お前とて、許さん。」
岱は両手を挙げ降参の勢を見せると、その場を立ち去る
「いずれにしても、一度壊れた箍は、元には戻りませんよ…兄上?」
背中を向けそう囁く。
+++++
「昼間の、貴方の態度に兄上は随分戸惑っておられたよ。見物だった。」
目隠しをされ、体の自由も許されない程に縛られ、趙雲は首を振りわずかな抵抗をする。
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