三国書物庫

□業火<GOUKA>
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少なくとも、何人か恋人は居た、経験も有る。
物思いに耽る周泰の衣の帯を外して行く、
名誉の傷、痛々しくも有るその傷の一つを指でなぞりながら陸遜は周泰の目を見つめる。
「私は…まだまだ若輩者かも知れません。…私も、貴方に、引かれていましたから…」
幾多の戦の中、互いに違う戦いをしながらも、時折近くなる時、何となく意識していた。
「話は…もう…いいか?」
「…はい」
周泰が口下手であるが故に、陸遜は素直に従う。
周泰の唇が、陸遜の唇を経由し胸元へと移動していく、胸の突起を口に含むと陸遜の体が反応し、声が漏れる。
「し…周た…」
「?何だ?」
名前を呼ばれ素直に返事をする周泰に噴出しそうになるのを堪え、
「いえっ…あの…続けてください…」
周泰のあまりにも真剣な眼差しに笑えなくなるのと「こうしているときは名は呼ぶまい」という決意をした。そんな事を思う陸遜を後目に周泰は再び、唇を這わせ、下腹部に手を伸ばし猛りを探り握る
「んっんんっ!!」
「力の加減が分からん…痛いなら言え…」
「いいですっ…凄く…」
「…そうか…」
しごく指先に透明な液体が絡みつく、程好く塗れた指を陸遜の中に滑り込ませる。
きつく締め付けられる指先を、緊張を解す様に動かすやがて深く間で入り込んだ指先が壁に当たると陸遜は瞳に涙を溜めながら懇願する。
「…っもう…」
「入れても…いいか?」
頷きしがみ付く腕に力が篭る、周泰は額に口付け陸遜の足を優しく開かせると秘所に自分の猛りを押し当てる。
撫で解された其処は液体を絡ませながら飲み込んでゆく。
「ひうっ」
周泰の腰に絡みつく足は痛みと快楽で強張っている、周泰は陸遜の猛りを掴み、強張りを解きほぐすようにしごき、腰を沈めていく。
「好きだ…伯言…」
全てを解きほぐすような言葉を投げる。
永く感じることの無かった快楽の波は二人を絶頂へと導いていく。
「私も…周泰殿っ」
互いの思いを確認しあうのを待っていたかの様に同時に果てた。
+++++
疲れ切って眠る陸遜の体を引き寄せその寝顔を眺める
国の為に武と策を振るう幼い軍師、
愛しくかけがえないモノ。
「俺が…お前を、守る。」
柔らかな髪を指に絡ませ周泰は窓の外を見上げる。
いつの間にか外は白みかかり、朝を迎えようとしていた。
「…寝るか…」
周泰は目を閉じ、やがて眠りに付いた。

=やがて…
業火に焼かれ朽ちる時が来ても、
消えることは無いだろう
貴方の中の炎は
私の中の炎は
この愛が
この体が
燃え尽きる其の時まで…
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