三国書物庫

□深紅の花びら
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「将軍…。」
突然腕を掴まれ部屋に引き込まれる、動揺を隠せないまま目をしばたかせていると、趙雲が下を向いたまま呟く。
「私は…お前に話さなければならない事が在る。聞いて欲しい。」
掴まれた腕に力が籠り、秦楼は痛みに顔を顰めながらも、
「何なりと。」
「今日、殿にお前の副将への昇進を進められた。しかし、私はそれを断った。」
耳を疑い、悲しみがこみ上げる。
「…将軍は、私を信頼出来ぬと言うことですか?」
趙雲は首を振り見上げる、
「違うのだ。そうではない!!」
「では、何だと言うのです?」
「お前が!…大切だからだ!!」
意外な言葉、こんな想いは己だけだと思っていた。
失うことを恐れるということ、つまり、恋愛感情に等しいと言う事。
「お前まで、失いたくないのだ。…秦楼。」
「私は、死にません…貴方の傍を離れないと、ちかいましたから。」
言葉が纏らず、思い付いたままを告げる、趙雲は見上げたまま静止して聞いている。
「今なら、貴方の意図が理解できます。」
苦しみも、恐れも、理由を聞くまでも無いと続ける。
「それでも、貴方が私に話したい事が在るなら、聞かせて下さい。」
趙雲は頷き下を向いた。
「私は、お前の前に、一人副将を殺している、」
秦楼の様に武も知略にも長けていた、趙雲に忠義を誓い、そして何時しか恋人になっていた、それが在る戦の折に、趙雲の盾と成り還らぬ人になった。
それから仕官兵を一人も従えずに居た事。秦楼がその男に似すぎていた事を切々と話した。
「だから、私は怖いのだ。」
傍にいるから辛い。
酷似しているから、同じ末路を想像してしまう。
「お前など知らぬままで、居たかった。」
あの日、目を疑い、葛藤した。
そのまま返すか、しかし、手を離せば、もう会えないと、死んだ恋人と重ねてしまった事への後悔。
「決めてくれ、私の傍に居続けるか、此処で、他に仕官するか。お前が選ぶ事に、私は何も言わぬし、止めぬ。」
「今更、何を申されるのですか…私が貴方無しで生きて行けるとお思いですか?それこそ、心外です。」
「秦楼…。」
「私は、一人の兵としてではなく、一人の男として、貴方を守りたいのです。」
見上げる瞳から涙が零れ落ちる。
秦楼は趙雲を強く抱きしめ、耳元で囁く。
「貴方が、好きです。」
「…!!」
抱きしめ返される腕に力が籠り、趙雲も口を開く。
「私もだ...秦楼...。」
戦死した仲間や、兵士の亡骸を見つめ泣けずに居た背中を何度抱きしめたかっただろう。
何度、大声で泣かせてやりたいと、思った事だろう。
「もう、耐えずとも良いのですよ。」
(私が、貴方を受け止めます。)
「どんな苦しみも痛みも、全て共に受け止めましょう」
「...私の、した事を許して欲しい。」
秦楼は頷き、趙雲の頬の涙を拭う。
「ですが一つだけ、私が彼の言葉を、代弁するならば、貴方を失う位なら、私が変わりたいと感じたと思います。大切だから失いたくない。貴方が、そう思うように、」
皆同じ気持ちを抱え、その為に戦い生きている。
同じであるということ、互いに思う事だという事。
「もしも、貴方でも、そうされた筈ですよ、気持ちは同じなのですから。」
静かに唇が重なる、髪を撫でると趙雲は甘い吐息を返す。秦楼の手は衣の紐を解き、胸元に滑り込み、高揚に突起した部位を撫で上げる。
「秦...!!」
「愛しています。将軍。」
腰が揺れ、愛撫を強請る、それに答えるように、下半身へと手が伸ばされ、秘所を優しく掴む
「あうっ」
体は素直に反応し、趙雲の手も秦楼の猛った部位を撫でる。
「欲しいんですか?もう少し、待って下さい。」
切ない表情の趙雲に欲情する、衝動を堪え尚も攻める。
「横になって下さい。」
寝転んだ趙雲の秘所に顔を近付け、根元まで銜え込む
「いっ!ああんっ」
声に下半身が疼きながらも上下を繰り返す。
「秦っ...もうっ!!」
「駄目ですよ、もう少し、貴方の乱れる姿が見たい」
限界、再び口に含まれた瞬間に憤りが吐き出される。
秦楼はそれをごくりと飲み込み、自分の指を口に入れ濡らしひくついた穴に挿入した。
「ひうっ」
「いいんですか?」
泣き声に似た喘ぎ声で強請り、腰が艶かしく揺れている。
「綺麗だ...貴方は。」
足を持ち上げながら下に見下ろした顔は、瞳を潤ませ、口元が本の少し開かれている。
「言って下さい。貴方の口から。」
「...っ秦っ入れてくれ!!」
秦楼は自分の衣を少し開き熱く滾った部位を穴に押し当てる、そして体を沈めていく。
「秦っ...凄いっ」
二度目の憤りを吐き出そうとしている趙雲の秘所を、衣の紐で軽く締め上げると趙雲は仰け反り声にならな
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