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げーむ
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「なあ!勝負しようぜっ!」



『…は?何の?』



「ゲームっ!そんで負けた方は何でも言うこと聞くって賭有り!」




只今幼なじみの吾郎の家にいる。
高校が別々だったりして、会うのが久しぶりだ。



なのに、いきなりゲーム!?




『私はゲームするつもりで来たわけじゃないんだけど…』



「いいじゃねえか!ほら、早く!」



しぶしぶ私はテレビの前でスタンバイしている吾郎の隣に座った。



「手加減すんなよー!?」



『当たり前じゃないっ!』





賭有りか…。

もし勝ったら……





告白でもしてしまおうか。



い、いや!関係崩れるの嫌だし、高いものご馳走してもらおう。









―――――――――……‥










「はははは!余裕〜余裕〜」




『っさいあく!』



惜しくも負けたのは私。
負けるだなんて、考えもしてなかった…。




『ムカつくっ!接戦だったじゃない!』




「でも負けは負けだぜ?」




『っー!
もうっじゃあ早く言いなさいよ』




「んーどうしようかなぁ」




吾郎は口元をニヤニヤさせながら考えている。





お願いだから変なのじゃありませんように…!

まぁ吾郎のことだから、どうせくだらないと思うけど……








「じゃあ、キスしてもいいか?」





『うん!………て、ええええっ!?』




驚く私を無視してじりじりと近寄ってくる。
後ろには壁、そして前には至近距離の吾郎。





『なっ、キスって、好きな人するもんだよ!?』



「知ってる、だから好きな人とキスしたいんだよ」



『えっ…』



言った意味を理解する前に私の唇は彼の唇によって塞がれた。






『……ん、』




思ったより長くて肩を叩こうと思ったら、その前に吾郎が解放してくれた。






『い、いきなりすぎ……』



「あはは、悪りぃな」



笑いながら頭を掻く姿に、悪びれた様子なんて見えない。



怒って殴ってやりたいのに、どこか嬉しい自分がいる。






「…あ、怒ってる?」



『怒るわよっ!普通は両想いになってからキスするのに……』



「じゃあ、両想いってわかったことだしもう一回するか」



『え、ちょっ!』




結局彼の思うがままにされるのでした。









げーむ
(順番違いだけど、恋の仕方なんて人それぞれ!)











 

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