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頬を伝うもの。
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いつか叶うと思っていた恋。

でもそれは一瞬にして"幼なじみ"という境界線で終わってしまった。





―――数日前。





『俺、マネージャーと付き合うことになったんだ…』



「マネージャーって…鈴木さんのこと?冗談でしょ?
だって佐藤って人が好きって………」



『まぁそうだったけど…、マネージャーは俺のこと選んでくれたわけ。』



「そう、なんだ…。よかったじゃん!あんな可愛い子、大河にもったいない!」



『バカにしてんの?』



「あははっ」



私は無理やり笑顔を作った。

…いや、笑っていないと泣いてしまいそうだから。








授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。


それから少しして、離れた場所から笑い声が聞こえた。



楽しそうな笑い声。
チラッと見ると、とても幸せそうな顔をしている大河が視界に入った。



私は瞼を閉じた。
何も聞きたくない、見たくない。あんな2人の光景を!






ふと涙が頬を伝ったのがわかった。

一度泣いてしまうと涙は止まらなくて、次々に溢れてく。



私は周りに気付かれないように、息を殺して泣いた。




「う……っ…」




今日で泣くのは終わりにするから。


明日からはきっと、いつも通りに笑って2人を向かえられるように、頑張るから。







頬を伝うもの。
(今日の涙はとてもしょっぱすぎるの)









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