めちゃshort
□たまかぜ。
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『最高の時間をありがとう。大好きだったよ。』
送るべき彼の人に贈った僕の最後の言葉。
それはやはりどことなく強がっていて、素直な僕の気持ちを上手く代弁してくれない。
でも、次の瞬間。
何処からともなく突風が僕たちの間を吹き抜けた。
それはとても激しく暖かく……
そして優しい……彼の人によく似た風だった。
誰かが言ってた。
まるで“魂風―たまかぜ―”だと……
きっとあれは彼の人の僕たちへの最後の言葉。
ありがとう。
僕は全身でそれを受け取ったよ。
ありがとう。
愛してるよ……。
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