Happy birthday
□御剣
1ページ/1ページ
む…今日だったか。
ああ、いや、忘れてたわけではないんだ。
時とは存外早く流れるものだな、もう1年経ってしまったのかと思って。
……誕生日お目出度う。
あー……なんだ、毎年祝えるというのは、嬉しいものだな。
君は歳を重ねても初心を忘れず、かといって初初しいだけでない……経験はものにしていく、社会人の鑑だ。
どうか、そのままの君でいてくれ。
こんな話を、と思うだろうが、誕生日でもなければ言えまい?
……さ、今日は残業にならないよう、さっさと片付けようか。
君の誕生日が祝いたくて、ディナーの予約までしてしまったのだ。遅れたくない。
ム…、何か言ってくれ。
嬉しくなかったか?君がハチミツピザが好きだと聞いて、デザートピザのある店を選んだのだが……あ、これは内緒にしておくつもりだったのに。
わ、笑うな!
……そうか、驚いていただけか。
ついでに、君が許してくれるなら、ディナーの後はドライブに行く予定だ。
君、助手席に乗ってみたいと言っていたろ?
行き先は……工場地帯の夜景でもいいし、海でもいい。
リクエストがあれば応えよう、その時の気分というのも大事だ。
…………さて、大分ネタバラシをしてしまったからな。プレゼントは内緒にしておこう。
仕事が終わったら、君の誕生日は独占させてもらうぞ。…期待してくれて構わない。
fin