Happy birthday
□霧人
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…………はあ、誕生日ですか。
もうこの歳になって何が嬉しいんですか？
成長はいずれ老化になります。
最早、死に一歩近づいただけですよ。
何を浮かれてるんですか。
それとも、今日が胸を張ってめでたいと言えるほど、昨年と比べて成長した…成したことがあったとでも言うのなら、話は別ですが。
どうです？歳を重ねたことが恥ずかしくない生き方をしましたか？
まあ、私には言われたくないでしょうね。
それでも私は、自分のプライドをかけて成した結果ですので、後悔はありませんよ。
もっと上手くやればよかったとは思いますが。
……冗談ですよ。
いいですか、過ぎた日々は戻りません。
どんなに悔しくても、取り戻したくても、失いたくなくても、この時は、刻一刻と過ぎて行きます。
そして、二度と同じ日はやってこないのです。
……ですから、貴女の貴重な時間を、こんなカビ臭い牢獄なんかで過ごしてはいけません。
貴女にとっては、誕生日の今日は特別なのでしょう？なおのこと、私に会いに来てる暇などないのでは？
……そんな特別な日に、こんなお説教をされるんですよ、来年はもっと有意義に使うことですね。
…え、来年も来るんですか？
歳をとったことを自慢できるようになって……と、はあ…貴女って人は………ええ、待ってます。
そうしたら、私も、素直におめでとうと言えるかもしれません。
…言わせて、くださいね？
fin