Happy birthday

□ナユタ
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お誕生日、ですか。

それでは、拙僧の説法をお聞かせしましょう。

……なぜ?

いいですか、この世に生まれ落ちること、その時点で人は原罪を抱え、罪人として生きているのです。

人生とは、贖罪の旅。

その罪多き日に、自分の生まれ、生き方を振り返り省みるのは当然のことでしょう?


…………………、あなたには、難しいですか?

そんなことありませんよね、貴方は聡明です。
沢山の命を奪い、食し、私達が此処に生きていることをよく理解しているはずです。

……。

ええ、あなたは優しいですから、拙僧の話も真剣に聞いてくださいますね。
お経が終わったら、もう少しお時間を頂いても?

そんなに怖がらないでください。
美味しいケーキ屋を見つけまして、あなたが好きそうなケーキを買ったのです。

日本は誕生日にロウソクを立てたケーキを食べるのでしょう?
お年は知らなかったので、ロウソクは準備していませんが…ご一緒して頂けませんか?

飴と鞭?いいえ、そんな意図ではありません。

拙僧は僧侶として、あなたの生きる道、生まれたことの意味を諭し、省みさせる義務があります。
…しかし、あなたを愛する者として、あなたが生まれ、此処まで生き、私と出会えた奇跡を…祝いたいのです。
あなたの生を支えてくれた全てに、感謝を述べたいのです。


…ふふ、照れたお顔も可愛らしいですね。


もし、拙僧がクライン王国まで来てほしいと言ったら、あなたは着いて来てくださいますか?

fin

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