白ひげ恋愛劇

□嘘は吐くな
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「リードってさ、親父と実は知り合いなんだろ?」

「ぶふぅっ!」

「汚ねぇよい!」



突然そう言ったエースに、俺は思わずコーヒーを吹き出した。
マルコ、ごめん!

いや、申し訳ないけど今はそれ所じゃない。
エースの言葉が大問題だ。

というか、俺何かヘマしたか?
いやしてねぇ、絶対にヘマなんてしてねぇ。



「何言ってんだよエース、俺と白ひげが知り合い?そんな訳無いだろ。」

「でも親父がよくリードの事呼ぶじゃん。」

「いや、うん、呼ばれるけど。」

「…実は俺もエースと同じ事思ってたよい。」

「俺も。」

「え。」



エースの言った事に同意しだしたマルコとサッチ。
え、いや、そんなに変だと思われてたのか。

ニューゲートは俺の事を知ってる。
かなり変わった俺(ニューゲート談)と、色々話がしたくて呼んでる…らしい。

まさかそれで勘付かれるなんて思っても見なかったぜ…



(ニューゲートお前の所為で俺は今大変だ畜生!)

「なぁそうなんだろー?」

「違うって。俺は賞金稼ぎで、ニュ、白ひげは海賊だぞ?知り合いな訳な、」

「それだよい。」

「へ?」



マルコがビシリと、俺を指差してそう言う。
え、それって何がそれ?

というかマルコの指先細いなー
細くて綺麗だなー



「リードお前よく、親父の事を言う前にニュ、って言うだろい。それ、親父の名前言い掛けてんだろい。」

「…それは…」



しまった、俺の失態もあった。
確かに何度かニューゲートの名前を言い掛けたな…

うわ、俺の馬鹿野郎!



「何で嘘吐いてまで親父との関係を隠そうとしてるんだよい、お前は。」

「……。」

「俺達には、話せないような事なのか?」



サッチが悲しそうな表情で俺を見る。

いや、うん。
そうなんだけど。

俺とニューゲートの関係は俺の過去も関わってる。
…過去の事はまだ話せねぇんだよなぁ…



「何してんだ。」

「「「親父!」」」



なんつータイミングに来るんだニューゲート。
いつもと変わらない表情をしているニューゲートに、俺は大きく溜息を吐きたくなった。

…いや、吐く訳にはいかないが。



「親父とリードが知り合いかどうか聞いてたんだよい。」

「あァ?知り合いだァ?」

「あれ?違うのか?」

「俺とリードは顔見知り程度の関係だ。」



いやいやいやいや、顔見知り程度って。
それじゃ知り合いだって言ってるようなもんじゃねぇか。

…まぁ、うん、そうなんだろうけど。



「顔見知りなのに、名前を言い掛けるのかい。」

「いやあれはニューワードって言い掛けてんだよ。」

「ニューワードって…」



なんというかバレバレの嘘だな、俺…

いやだって、マルコ前にして俺嘘吐けない!
マルコの前では素直でいたい!

…って言う割には過去の事話せてねぇけどな。



「…嘘だろ、それ。」

「う、嘘じゃねぇよ!」

「絶対嘘だ!マルコも何とか言ってやれよ!」

(おいエースなんでそこでマルコに助けを求めるんだ!)



そこは近くに居るニューゲートの方だろ!
マルコなんて卑怯だ!

内心そう思う俺を尻目に、マルコは俺の方に顔を向ける。



「リード、俺にも言えねぇのかい?」

「え、えっとなぁ…」

「どうなんだい、リード。」



く、くそぉ…こう言う時に限ってそんな艶やかな笑みを浮かべてっ!
状況が状況じゃなかったら抱き締めるのにっ!

過去の事を話せば、きっとマルコ達は俺から離れてしまう。
マルコに拒絶されるのが、怖い。



「…知り合いっていやぁ、知り合いだ。」

「ちょっ、白ひげ!!何言ってん「やっぱり知り合いなんじゃねぇか!」

「諦めろリード、コイツらは言い出したら真実知るまでしつこく聞くぞ。」



グラグラ笑うニューゲートを、俺は恨めしい目で見る。

しつこく聞くからあっさり答えるのかよ。
俺だったらもっと粘るぞ、ニューゲート!

…まぁ、もう遅いけどな…



「…まぁ、うん。ニューゲートの言う通り、俺とニューゲートは知り合いだ。」

「だけど、いつ知り合ったんだよ?俺らリードと会った事一度もねぇぞ?」

「確かに…いつ、親父と知り合ったんだよい。」

「マ、マルコ積極的だな…いだっ!」

「うるせぇよい!んな事より、質問に答えろい!」



俺に近付くマルコにそう言えば、頭を叩かれた。

本当にマルコは照れ屋だなぁ…可愛いっ!
あぁ、それより今はその質問にどう答えるか考えなくちゃな。

いつって…



「数年ぐらい前。」

「数年って、曖昧だなぁ…」

「これ以上詳しくは言えない。諸事情で。」

「諸事情?」

「諸事情というか、俺の都合。」



本当俺の都合だ。
明後日の方を向く俺に、エース達の視線が突き刺さる。

うぅ、マルコの視線が痛い…



「今、話せよい。」

「いや、マルコ話聞いてたか?都合により話せませんなんですけど!」

「お前の都合なんて知るかよい。」

「マルコの鬼!でもそんな所も大好きだ!」

「ちょっ、抱き付くな!」



俺が抱き付いて慌てるマルコを見て、俺は何とか話が逸らせたと安堵した。
マルコさえ話題から離れれば、もう聞いてくる事はないだろう。

エースやサッチには悪いが、そう簡単に過去の事を話す訳にはいかねぇんだよ。
















(結局、リードの事あんまり知る事出来なかったな。)

(マルコが途中で慌てたからなー)

(…俺の所為かい。)

(だってそうじゃねぇか、マルコが冷静で居てくれたら色々聞き出せたのに!)

((くだらねぇ事に付き合った俺が馬鹿だったよい…))

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