オリジナル

□出会い@
1ページ/6ページ

「おとうさま、おかあさま」
「姫様…?」
政務室にいるお二人の元に姫様が来られた。朝、王たちは大抵政務室で仕事をなさっている。
「ラキ!?一人でここに来たのか?」
コクリと頷かれる。
「成長しましたね……」
王妃は涙ぐまれている。それほどまでに、姫様がココまで来られたことは衝撃的なのだ。
寝室からここまでは決して近いものではないく、姫様は極度の怖がりであるから。
「姫様、いったいどうなさったのですか?」
「きょう、おしろにおきゃくさまがくるんでしょ?」
震える声でおっしゃる。
「ああ、リピル帝国からな」
リピル帝国、平和な のどかな国だ。ディート王国との交流も深く、王同士も仲が良い。
「リピルていこく?」
「お隣の国よ。とても優しい方々だから安心してちょうだい」
不安気だった姫様が漸く少しだけ安心された。
「お前にも友達ができるかもしれないぞ?」
「ほんと…?」
パーっと可愛らしい笑顔。まだ5歳であられるから怖がりといえどお友達が欲しかったらしい。
友達…というと、皇子か。リピル帝国には、ちょうど姫様と同じ齢の皇子がいるらしい。
「仲良くなれると良いですね」
私は皇子に会ったことが無いため、少し不安があるが、あのご両親だ。きっと優しい皇子だろう。
「うん」
姫様を怖がらせるようなことだけはしないでほしいものだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ