愛の数だけ星になれ

□1st
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−キーンコーン……

4限目終了のチャイムが鳴り、未来は屋上へ向かう。

ギィっと重たいドアを開けようとした時…


「未来、」

「あ、臨也。今日は晴れてて良かったね。最近雨ばっかりだったからねー」

「うん。あそこの椅子座ろうか」


未来は臨也と並んで椅子に座った。
此処から見える景色はとても見晴らしが良く、2人の一番のお気に入りの場所である。


「やっぱり、此処が一番落ち着くよね」

「そうだね」


2人はパクパクとお弁当を食べていく。


「うぇっ!?この卵焼き…甘過ぎる!!」

「あー…塩を砂糖と間違えたのかな?」

「そ…そうかもー……」

「あはは、ホントにおっちょこちょいだね未来は」

「〜〜〜〜、い、臨也、そのお弁当もう食べないで!」

「なーんで?」

「…味に自信がなくなってきたから」

「ふーん」


パクり。パクり。
彼はお弁当を食べ続ける。


「あぁ臨也!!もう無理して食べなくていいから!」

「……」

「もっと料理練習して、美味しく作れるようにがんば、んんんん?!!」


突如、臨也は手で未来の口を塞いだ。

「何時、不味いなんて言った?誰が、無理して食べてるなんて言った?」

「……」

「俺は、未来の料理を不味いと思ったことなんて一度もないよ?無理してたべる?その辺のコンビニで買うような、誰がどんな風に作ったのかも分からない弁当ならすぐ捨てる。俺は、好んで未来の料理を食べてるんだよ」

「い、ざや…」


口を塞いでいた手が離されたかと思うと、今度は甘ったるい卵焼きが口に入ってきた。


「それに、何年この味を食べてきたと思ってるの?今さら変えられても今までのに慣れてるから無理」

「そ、だね……ありがとう」



未来は思った。
臨也は私の全てを受け入れてくれてるのではないか、と。
少し意地悪だけどとても優しい臨也のことが好きなんだ、と。


上を見上げれば、少し雲がかっていた太陽がいつの間にか顔を出しており、2人に暖かい陽を射していた。



To be continued…
2012.2.23.

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