雪のかけら(ドラマアレンジ編)


□雪の舞い降りる夜に
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毎日深夜になると雪が降り、本格的な寒さを感じる様になった今日この頃。
宮中で暮す宮女達や官吏達は、新年を迎える準備に追われ、慌ただしい毎日を過ごしていた。
「もうすぐ新年か・・・・。」
長今は、雪雲に覆われた真っ白な空を見上げた。
木枯らしが吹き、寒さを感じる。
「さ、寒い・・。」
長今は、身体を縮こませた。
内医院に向かおうと歩いていると、赤い官服に身を包んだ男人の後姿が見えた。
あ、ナウリ!!
長今は、笑顔になる。
ナウリは、後姿だけでも一目で分かる。
長身で均整の取れた政浩の体格は、目を惹く程であった。
長今が、政浩に声を掛け様と近付こうとすると、女官が政浩に歩み寄るのが見えた。
!!
長今は、思わず建物の陰に隠れ、女官の様子を窺う。
二十歳前後だろうか。
顔を真っ赤に染め、その女官は政浩に何やら話し掛けている。
まただ・・・・。
長今は、下唇を噛み締める。
またナウリ、女官に告白されている・・・・。
長今は、思わず頬を膨らました。
これで今月で三人目だ・・・・。
長今は、何故か政浩が告白される現場を、目撃してしまう事が多かった。
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