雪のかけら(逃亡編)


□冬の始まり
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季節が移り変わり、冬の足音が近付いて来た。
朝目を醒ますと、長今は寒さを感じた。
寒い。
今日は冷えているわ・・・。
すぐ隣で眠る政浩に、思わず抱き付く。
「ん・・・。」
政浩は、長今を無意識で抱きしめながら寝返りを打つ。
ナウリ、温かい・・・。
長今は、思わず微笑み、政浩の胸に頬を摺り寄せる。
素銀や政秀は、風邪引いていないかしら?
すぐ隣で小さな布団に眠る、二人の子供に視線を送る。
顔色も呼吸も落ち着いている。
安らかな寝顔を浮かべている。
問題ないわ。
長今はほっとしながら、政浩にぎゅっと抱き付いた。
ナウリも大丈夫よね?
政浩の寝顔を見て、思わず視診してしまう。
問題なし。
家族の健康を確認するのは妻の務め。
私も気を付けなくてはいけない。
これから寒い冬が来る。
大雪が降り、深々と冷える日も有るだろう。
準備をしなくてはいけない。
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