Web拍手特別ストーリー


□夕立の日に
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Web拍手特別ストーリー第十四回「夕立の日に」


蝉の声が響き渡る。

毎日猛暑が続き、汗を拭う事が多かった。

長今は、信非と共に女官達の治療に当たっていた。

気温が予想以上に上がり、熱射病になる女官が増えたからだ。

涼しい所で休ませればすぐに良くなる為、重病人は居なかった。

「こうも毎日暑いと、さすがにキツイわね・・・。」

信非は、照り付ける太陽を窓から見上げ呟いた。

「ええ。さすがに・・・。」

長今も額の汗を拭う。

汗を拭っても拭っても吹き出す。

「暑い・・・・。」

長今は袖をめくった。

「今年は特に暑いわね。海にでも行きたいな。」

「海・・・・。」

長今は済州島での日々を思い出した。

潮風に毎日包まれていた。

ナウリの暖かな優しさにも。

長今の頬が赤くなる。

あの頃は、時間も沢山有ったから、ナウリと毎日会っていたし、私が落ち込んだ時は、いつもなぐさめて下さったから・・・。

「長今?顔赤いわよ?熱でも有るんじゃない?」

信非は長今の額を触る。

「へ、平気よ。熱何か無いから・・・。」

長今は笑顔で言いながら、信非の腕をどかす。

これはただの、ナウリへの熱だから・・・。

「今日は、夕方まででしょ?早く終わらせて帰りたいわね。」

信非の笑顔に長今は頷く。

「さ、頑張ろう。」

長今は、気合を入れ直して治療に当たった。



久々のWeb拍手です。お楽しみ下さい☆
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