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□最後の詩
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逃げたのが同時なら、
愛し合うのも同時なのだろうか…、
「…阿近さん、俺は貴方を愛してもいいですか?
本心をさらけ出して、貴方に全てをさらけ出しても良いですか…?」
「…もう、俺の前で
お前の心を殺さなくていい」
逃げ続けた答えは案外、とても近いところにあって、
近いが故に、
誰も気付かない。
でもそんな時は目線を少しだけ広げてみる、
そうすれば、
案外、見えてなかったものが見えてくるのだ。
お前の書く詩が心を穏やかに揺らすのも、
俺がお前を探していたから、
求めていたから。
でも、きっともう修兵の詩を読むことは出来ないのだろう。
そんな紙切れからの告白は必要ない。
そんな紙切れからの片想いも必要ない。
全ては目の前に、
俺の前にあるから。
だから、これからは
「俺の横で唱ってくれ」
貴方に唱い続けた詩、
片想いの詩。
でも、これからは
「貴方のためだけに唱い続ける」
愛情の詩に…。
逃げは必要ないの、
これからは、2人向かい合って紡ぐ愛の物語…。