SLAMDUNK


□キミをまもる
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湘北高校の屋上。
それは桜木軍団の溜まり場といっても過言ではない。



そして、それは授業中でも例外ではない。




花「あー…」


忠「どした、花道?」


楠「洋平が居なくてツマンネーだけだろ」


高「そういや洋平は?」


花「…教室で寝てる」


忠「あら、では花道くんは旦那さまを1人教室に置いてきたと?」


花「だって、起きそうにねーんだもん。けどジュギョーする気なかったし」(←旦那さまにはツッコミなし)


楠「よく言うよーお前こそ、寝てばっかしの癖によ」


高「そうだぞ、花道。お前寝てばっかじゃん」


花「だぁー!うるせーやいっ」


花道がお決まりの頭突きを3人に喰らわせれば、伝説の和光中3バカトリオと唱われた彼らは地に沈んだ。



三「おー、お前ら…って何してんだ?」


忠&楠&高「おー…ミッチーぃいー」


三「Σうわっ怖ぇよ!!」



ゾンビの如く、地を這う彼らに三井は叫び。
彼らは『ミッチー酷い』と三井を責めた。
その間、花道はその動向を見守るだけだった。



花「ミッチーがサボりなんてメズラしーな、しかも屋上くるなんてよー」


三「おうまぁな。そうだ、花道腹減ってねーか?貢ぎもん結構貰ってよー」


高「おーいいな。だけどダメだぞミッチー」


楠「そうそう」


三「あ?何がだよ」


忠「花道は洋平に躾られて、他人が作ったものは洋平の許可なく食べれないのよ」


三「あ?なんだソレ?」


花「お前の貰うもんはアヤシーのが多いからダメなんだってよー。だいたい他人が作ったもんなんて何はいってるかわかんねーからヤメロともいわれた」


三「過保護過ぎね?」


忠「こればっかりは仕方ないって。現に怪しいのもらったこと何度もあるしな」


三「例えば?」


楠「そうだなー、痺れ薬なんて当たり前、たまには下剤…他には…」


三「うへぇ…ってかまだ他にもあんのかよ?」


高「あるぞ、とっておきのが。しかも相手は全て男」


三「何だよ?勿体ぶってないで言えよ」


高「効くか怪しい惚れ薬、果ては媚薬などなど」


三「おいおい、コイツ男だろ;;」


忠「花道はそれを覆す何かを持ってんのよ」


楠「洋平じゃなくても過保護になるさ」


三「花道…お前苦労してたんだな」


花「ぬ?もう慣れた。洋平らもいるし。あーでもハラへった」



慣れるなよ、と三井は思う。
同時に慣れるほど貰ったのかと怖くなった。

そして、腹へったなどと…どれだけおおらかなのか。



三「なら、貢ぎもんをもらう前に買ったパンやろうか?」



あまりに可哀想になった三井がそれを差し出せば花道は嬉しそうに受け取った。



花「ミッチーサンキュー!」


差し出したのはパン一個だったはずだが、いつの間にか花道に全てのパンを奪われていた。
計6個のパンを食べた花道は満足そうだ。



三「(あーあ、放課後用のもあったのによ)」


花「ふーまんぞく、まんぞ…」


ピクッと突然花道が固まった。

皆がどうしたのかと首を傾げれば、花道は慌てつつ、食べ終わったパンの袋を証拠隠滅とばかりに持ちながら右往左往し始める。



高「花道、それもらうぞ?」


花「Σわりぃ高宮、頼む!」


楠「あー…来るわけね」


忠「ミッチー、悪いことは言わんから今から黙ってた方が身のためよ?」


三「あ?なに?」



困惑する三井をよそに花道は証拠隠滅を完了させると、横になった。

それと同時に屋上の扉が開かれる。



忠「おー洋平、寝てたんじゃねーの?」


洋「まぁね、起きたら花道居ねーんだもん。焦ったよ。って花寝てんじゃん」


楠「結局、退屈だったんだろ?ずっとこうだぜ、コイツ」


高「で、洋平何持ってんだ?食いもんなら、くれ。」


洋「誰がやるよ。これは花道の。ってかそんだけ食ってまだ食うわけ?ってミッチーじゃん、珍しい」



それまで眼中になかったのか、三井に今気付いた洋平に困惑しつつ、言われたように軽く洋平に挨拶を交わす以外は口を閉ざす三井。



洋「なんか変なミッチー。まぁ良いや」


花「…ぅん」


洋「花、起きた?」


花「ようへー…」



今、起きましたとばかりに目を擦る花道に洋平は笑うと、手に持っていた袋を花道に差し出す。



洋「ほら、パン食うでしょ?」


花「おう、ちょーどハラへったなと思ったんだ!スゲーな洋平ー!」


洋「当たり前でしょ。お前が腹空かす頃だろーなって思って買ってきたの」


花「へへっ!なぁくっていい?」


洋「いいよ、たぁんとお食べ」



今まさに6個の…しかも同じパンを食べたと思えないほどのスピードで花道は洋平から受け取ったパンにかぶりつき、胃におさめていく。

先ほどの光景を知っている三井はそのパンの量と食べるスピードに顔を真っ青にした。
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