‡宝‡
□着用拒否
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「Σ!!?」
−ガシャーン!!
今なんつったこの馬鹿は。
取り敢えず、落として粉々に砕け散った哀れなビーカーを拾い集める。
小さな破片なんかは面倒だし、液体ごと雑巾で拭い取ってやった。
……さて。
聞こう。
つか聞き直そう。
俺の耳がおかしいのかもしれないが、断じてそれは認めない。
じゃあこの目の前できょとんとしてる馬鹿の言い間違いだと信じよう。
「…もう一回言ってみろ。」
「えぇ、聞こえて無かったんですか〜?仕方ないな、もぅ。
だから、ゴム付けないで!!」
「………。」
ゴム、って…アレだろ、コンドームの事だよな…。
そりゃ破れたら意味無ぇから一回ずつ付け直したりしなきゃならないし面倒だ。
…だが、それを除けば何もデメリットは無いし、付け直してる時間が惜しい何て…情事中コイツに考えてる暇は無さそうだが。
「……何で」
「何で、って……ひっどーい!!乙女に言う台詞じゃ無いっ!何でわかんないの阿近さんの馬鹿ーー!!!」
「Σあ、お………ぃ、」
当然の質問をしたと思うのに、何故か馬鹿扱いされた末に修兵は部屋から走って出ていってしまった。
入れ代わるように入って来た眼鏡娘と鵯州の視線が痛い。
「……んだよ。」
「は〜ぁ!解ってないホントに解ってない!!」