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□Hallowin
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Hallowin
オレンジオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジオレンジ………
様々な顔が彫り込まれた、日本ではあまりお目にかかれない南瓜たちの群れ…
「なぁ一護」
「どうした?」
「…なんだこの南瓜?」
俺が懐いた疑問を率直にぶつけてみた
「?…あぁこれは、ハロウィンに使う南瓜だよ。
南瓜をくりぬいて、顔を彫って、中に蠟燭入れて、魔除けに使うんだ」
一護は、当たり前のように答えたけど…こんな南瓜が魔除けになんのかよ?
「へぇ〜…ハロウィンて?」
「外国の祭りだったと思う、10月31日の夜に子供たちが仮装して家々を回って菓子をもらうんだ」
「…恐ろしい祭りだな」
「まぁ、外国だしな…菓子もらうときルールがあって“Trick or Treat”っていうんだ」
「どういう意味??」
「“お菓子くれないと悪戯するぞ”」
「…脅しじゃなぇか」
「…まぁ、外国だしな」
一護がいい加減な答えをしていたけど、俺は気がつかず“外国って恐ろしいところなんだな…”と呑気に考えていた
「そろそろ帰らねぇと…いろいろ案内してくれてありがとな!」
「いいって、じゃぁな!」
そう言って一護と別れ、帰路についた…

――――10月31日
「あ〜こんさんっ!!」
「……なんだその格好」
阿近さんが呆れ顔になってるけど、仕方ないかな…今の俺の格好は、魔女の格好だ!!
「阿近さん、ハロウィン知らないの?」
「…あぁ現世のあれか」
流石は阿近さん!けど知ってても、甘い物が嫌いだからお菓子なんて持ってないだろう!
「阿近さん“Trick or Treat!”」
「…(ゴソゴソ)ほれ」
俺の予想ははずれて、阿近さんはガムを差し出してきた
「!……ありがとうございます」
「くっく…なんだ意外そうだな」
「いえ…べつに………」
ホントは、すっごく意外だったけど…仕方ないので、貰ったガムを食べる
「(もぐもぐ)」
「修、“Trick or Treat!”」
「えっ?!俺何も持ってないですよ!」
まさか俺が言われると思ってなかったから、そんなの用意してない…
「そうか…Trickがいいか…くくっ」
「えっ!?」
「こんな格好してくるから、誘ってるのかと思ったぜ…」
混乱している俺をよそに、阿近さんは着々と事を運んで行って…
「ぁっ…ちょ……阿近さ…ん」
「くくっ…据え膳食わぬは武士の恥だろ?」
「…阿近っ…さ…ん…っは…武士じゃ…な…い…ぅぁ…」
結局俺は、美味しく頂かれてしまったのでした・・・



おまけ
「修、俺以外の前でそんな格好すんなよ」
「何でですか?」
こいつ何も分かっちゃいねぇな…
「…男は全部狼なんだよ」
「??」
「……はぁ、つまり簡単に喰われちまうってこった」
「えっ?どう言うことですか??」
この後必死で男の危険さを教える阿近がいたとか………
 

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