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□最後の詩
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「…修兵、答えを言ってくれ…」
「…阿近さんは、…阿近さんは俺が好きなの?」
逃げ続けたのは正直、どちらが先か分からない。
でも、今はっきり言えることは…、
「…あぁそうか、」
「……」
「…俺はずっと修兵を…愛したかったんだな…」
「…阿近さ…」
泣いてるのはどちらが先か、もしくはどちらかしか泣いていないのか、目の前が涙で霞む。
涙でぼやける視界で見た貴方は…、
「…阿近さん…泣いてる…んですか?」
「…お前だ…ろ」
まるで、鏡に映る自分のようで…手を伸ばした。
やっぱり、鏡のように貴方も手を伸ばした。
「…泣いてるじゃ…ねぇか…」
「阿近さ…んこそ、頬濡れてま…すよ」
触れた先の頬は、どちらも濡れていた。
先に嫉妬したのはどちらか、
先に逃げたのはどちらか
先に愛したのはどちらか
本当に先なのは、どちらでもなくて。
それは鏡のように、同時だった。
「…阿近さん俺も…ずっと貴方を愛したかった」
「お前に」
「貴方に」
「「愛されたかった」」