□大きな本
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体長20pの鵯州を抱えて俺は本屋へ向かっていた。



程なくして着いた、近所の書店。


幸いにもまだやっているようで灯りが付いていた。



中に入ると、本特有の古いような新しいような、匂いがする。


中の主人に見つからないように鵯州に小声で話し掛けた。


「ねぇ、どんな本が良いの?」

「うーん…アイツは相当な量の本を持ってやがるからな…」



「…じゃあ、持ってなさそうなの教えてよ」


鵯州はわかったと返事をしたものの、一向にコレと言うものが見つからない。


「鵯州?」

「…どれもコレも持ってやがるんだよ!」


一体、鵯州の主人はどれだけの本を持っているのか…、

手当たり次第に取ってみて鵯州に渡しても持ってると答えられる。


俺は何か良い物はないかと記憶を探ってみた。



「そうだ!アレなら持ってないかも!」


鵯州を抱えたまま店の奥へと突き進む。


その本は俺が物心付く頃からその場所に有ったものだった。


「まだ有った…」



店主曰わく、分厚すぎる上に値段が張るため売れないのだと言っていた。


辞典のように分厚い小説。
10p弱は有るだろうか?
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