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□譲れない思い
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つい、シリアスな雰囲気になってしまったが、その様な暗い話ではない。
寧ろ、逆だったりする。
ほら、今日も…。
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俺は、いつもの様に阿近さんの居る技局の研究室でお昼休みを過ごしていた。
「はい、阿近さんお茶」
「あぁ、悪いな。ん?」
「どうかしました?」
「嫌な予感がする…」
「嫌な予感?」
程なくして、足音がしてきた。足音は軽いにしろ凄いスピードだ。
「…修兵、隠れろ。」
「え…!」
どこに、と聞く余裕もなく阿近さんに引っ張られる。
しかし、あちらの方が速かったらしい。
ガラッ!
「修兵は居るかい?」
「ちっ!」
扉を開けて入ってきたのは、隣の11番隊の第5席
綾瀬川 弓親だった。
「勝手に入ってきてんじゃねぇよ」
「そんなの僕の勝手だよそれとも、嫉妬かい?美しくないね。」
「うるせぇ、俺のモンに手出しやがって」
「手なんか出してないよ只、霊圧を吸収しただけじゃないか」
阿近さんは、俺の霊圧を喰ったのが綾瀬川だって知ってるから、綾瀬川も隠す気はないらしい。
俺の霊圧を喰ったあの日からこんな調子だ。
俺はどうやら気に入られてしまったらしい。