小説(4冊目)

□風切羽
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 アンタはもうここにいない。

 アンタがいた跡形は確かにあるのに。
 アンタの笑顔なら鮮明に思い出せるのに。
 アンタに触れた感触がこの手にしっかりと残っているのに。
 アンタはもうここにはいない。

 だからおれは羽ばたけない。
 もう2度と飛べやしない。

 それでもおれは前に進まなくちゃならない。
 たとえ這いつくばってでも。

 それがアンタの、望んだ事なんだろ?



end
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