小説(4冊目)

□小指の爪
1ページ/2ページ

有利「あれ? 何で小指の爪だけ伸ばしてんの?」
村田「密閉された容器を開けたりプルタブ起こしたりする時便利なんだよ」
有利「村田って本当は何歳?」
村田「それと願掛けの意味もあるんだ」
有利「へぇ、どんな?」
村田「ギネス記録を更新出来ますようにって」
有利「それ願掛けじゃないじゃん! 普通に挑戦じゃん!」
村田「ギネスってのはそう簡単に更新出来るもんじゃないんだよ」
有利「それにさ、今から始めたってもう手遅れだろ」
村田「ここで諦めたら何も始まらないじゃないか」
有利「その前に始める意味もあるのかどうか……」
村田「相変わらずやる気ゼロだね、渋谷」
有利「大体さ、テレビでギネス記録保持者見た事あるけどあんま格好良いもんじゃないぞ。女の子にモテなくなっても知らないぞ?」
村田「渋谷は?」
有利「ん?」
村田「爪を伸ばした僕は嫌いかい?」
有利「え……って別に中身が変わる訳じゃなし。でも限度を超えたらちょっとなぁ……」
村田「じゃあやめよ」
有利「諦めるの早っ! って言うか何、女の子よりおれな訳!?」



end
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ