とある魔術の禁書目録CP2

□幸せ
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「・・・ようやく寮に着いたら、エレベータが点検中かよ〜。」


走り回って疲れた当麻はダラダラと階段を上がる。


「あ〜、なんか階段から落ちる的な不幸が起きそうだよな〜。気を付けて登ら・・・・。」

ズルッ


言った先から当麻はたまたま濡れていた階段で足を滑らした。


「やっぱりかー!!」

ドンッ

「・・・。」


思わず目を瞑った当麻だが、予想していた衝撃が来ない事に不思議に思い、目を開けた。


「っ・・・何で君はいきなり降ってくるんだい?」


ステイルがいた。
こんな偶然が何回もあるだろうか?
1回目は御坂妹で、2回目は一方通行。
今度はステイルだ。


「・・・大丈夫か?」


当麻は上半身を起こしながらステイルに尋ねる。


「僕は君が思っているより丈夫だ。これぐらいどうって事ない。」


ステイルの返答に当麻は、ほっとした。
そして、じゃあ、と両手をステイルの顔を挟むように地面へと置く。
まるで押し倒しているよう。
いや、押し倒してる。


「・・・え・・上条・・・当麻?」


ステイルは顔を赤らめて狼狽し始めた。


「は、早くどきたまえ!」


ステイルは御坂妹みたいな事は言わなかった。


「んー、逆だな。」


当麻の呟きにステイルは首を傾げる。


「俺の方がステイルのためなら、何でもしてあげたくなっちゃう。」






誰もいない階段。
彼に小さなキスを送る。
この時がいつもの不幸から、とっても素敵な幸せに変わる瞬間。
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