とある魔術の禁書目録CP2

□半分に
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「私、チョコレートケーキがいいな。」

「あ、俺も。」

「申し訳ありません、チョコレートケーキは残り1つで売り切れとなってしまうので・・・。」


店員の言葉に、美琴と当麻は顔を見合わせた。


「じゃあ、俺はこのチーズケーキでいいです。」


そして、当麻は美琴が何かを言う前に注文を変えた。
そうしなければ、絶対に美琴が注文を変えたからだ。
せっかく、美琴のために連れてきたのだ。好きな物を食べてほしいじゃないか。


「・・・なによ、私が変えたって良かったのに・・・。」


案の定、美琴がちょっとムッとした顔でそう言った。


「いいって。ちょうどチョコにするか、チーズにするか、迷ってたところだしさ。」


当麻はそう言いながら、テーブルにケーキと紅茶の乗ったトレイを置く。
このケーキ屋は買ったケーキを店内で食べられるのだ。


「・・・わ、私もよ。」


椅子に座ると、美琴が突然言った。
当麻は、ん?と首を傾げる。


「私も、どっちにするか、迷ってたの!」


美琴がさらに言葉を重ねるが、当麻にはその言葉の意図がよく分からない。
しかし、お互いがどっちにするかを迷っていたケーキが、ここにあるのだから、する事は一つだ。


「じゃあ、半分こするか?そうすれば、2人とも両方食えるしさ。」

「そうね。そうしましょ。」


美琴がちょっと安堵の表情で頷いた。
当麻の選択はどうやら当たっていたようだ。
チョコレートケーキを半分に分ける理由を作ってくれたのだ。


「どう半分にする?」


美琴がフォーク片手に尋ねた。


「こう、縦に切るか?」

「難しくない?」

「だよな〜。」


む〜、と2人して考え込む。
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