とある魔術の禁書目録CP
□君に会いたい on Christmas Day
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「よしっ、こんなもんか。」
当麻は机の上に並ぶ料理を眺め、満足そうに頷いた。
ビーフシチューに、牛肉の赤ワイン煮込み、フランスパンのガーリックトーストに、そして、ケーキ。
ケーキはシンプルなショートケーキだが、ちょこんと砂糖でできたサンタとトナカイが乗っている。
サンタとトナカイは市販の物だが、一介の高校生に手作りは無理である。
時計を見ると8時半、ステイルは8時着の飛行機で来ると言っていたから、もうすぐ家に到着するだろう。
「・・・へへっ。」
当麻の顔が思わずにやける。
外国人にとってはキリストの生まれた神聖な日なのだろうが、日本人にとっては恋人と過ごす大切な日。
しかも、ステイルと恋人になって初めてのクリスマスなのだ。
にやけるのも当たり前だ。
「今年はいろいろあったからなー。」
インデックスと出会って、ステイルと出会って、一緒に闘って、そこから、当麻はたくさんの人と出会い、たくさんの戦いを経験した。
そして、第三次世界大戦と乗り越えた先の新たな戦い。
全て終わって、ようやく落ち着けた。
こうして恋人とクリスマスを過ごすぐらいに。
「いいよな!今日ぐらい幸せだっていいよな!」
日頃不幸なんだし。
「ステイルといれるっていう幸せなプレゼント、もらっても、いいよな。」
作りモノのサンタだが、そう話しかけると、柔らかい笑顔を浮かべている様に見えた。
「・・・でも、ステイル遅いな。半には来るって言ったのに・・・。」
当麻は時計を見て、不安そうな顔を浮かべる。
何か、あったのだろうか・・・?
『こちらは学園都市にある空港です。』
不意に点けっぱなしのテレビから切迫した声が聞こえてきた。
『イギリスからの便、Z309にエンジントラブルが起こり――――――』
当麻は財布と携帯を慌てて取り、コートを羽織って、家から飛び出した。