とある魔術の禁書目録CP

□ひどい味のチョコ
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カチャカチャと音を立てて、当麻は無言でチョコを溶かしていた。

「んー、良い匂い・・・。」

そんな時、寝ていたインデックスが起き出し、台所へとやってきた。

「とうまー、何を作ってるのかな?」
「ん?ショコラだけど。」

当麻がそう答えると、インデックスの顔が輝いた。

「食べたい!」
「はいはい、待って下さいねー。ちゃんとインデックスのもあるから。」

笑って言っていた当麻だが、インデックスが居間へ戻ってしまうと、その顔はとても沈んでいた。
インデックスのもある。
では、自分は他に誰へのチョコを作っているのだろうか。
当麻はぼんやりと今溶かしているチョコを見る。
今日、会う約束をしているわけではない。
そもそも連絡先を知らない。
そんな渡せるはずのない相手に、作っている。

(ただの自己満足だよなー。)

貰える確率は皆無なので、自分が渡そうと思った。
そして、気付く。
会う手段が自分にはないと。

「・・・・はぁ。」

重いため息が、つい出てしまう。
好きだと気付いたのはいつだっただろうか。
始めて会った時?
法の書の事件?
大覇星祭の時?
第3次世界大戦?

(・・・あれ?)

気付いた、7月にステイルと出会ってから、そんなに多くは自分達は会っていない事に。
いつもステイルの事を考えていた気がする。
考えていない時は何かに巻き込まれていた気がする。

「・・・・・・・・ステイル・・・。」

君に会いたい。
ずっと思っている。
完成したチョコはインデックスには好評だった。
よほど気に入ったらしく、友達にもあげたいと家を飛び出して行ってしまった。

「・・・・まぁ、いっか。」

当麻がいまから向かう学校には、その友達がいるのだが・・・。
インデックスの好きにさせておこう。
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