とある魔術の禁書目録CP
□口実
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「分かったぜよ。こっちでも調べてみる。」
昼休み、土御門はそう言って携帯を切った。
「誰からだったんだ?」
当麻は購買で買ってきた焼きそばパンを頬張りながら訊いた。
焼きそばパンは購買の人気商品なので、勝ち取るのは大変だ。
ひしめく生徒を千切っては投げ、千切っては投げ・・・当麻はなんとか焼きそばパンを得る事ができた。
その代償に飲み物が全部売り切れるという不幸が起きたが。
そんな事を考えながら、焼きそばパンの美味しさに浸る当麻は、土御門が一瞬意地の悪い顔をした事に気付かない、やはり不幸な人だった。
「ステイルぜよ。」
土御門は言った。
「へ〜。」
当麻はそれに気のない返事をした。同じ『必要悪の教会』の同僚である二人が連絡を取り合うのはまったくもって、普通の事だ。
また事件か。今度は巻き込まれないと良いんだけど・・・まぁ、無理だろうな〜。
くらいにしか当麻は考えなかった。
「この頃、良く掛かってくるようになったんだにゃ〜。」
土御門が携帯をいじりながら言う。着信履歴でも見ているのだろうか。
「・・・もしかして、今度は学園都市絡みの事件なのか?」
当麻が不安そうに小声で尋ねる。
「うんにゃ、けっこう些細な事ばかりだにゃ〜。」
土御門は首を横に振った。
「そうか。」
当麻は安堵の息を吐く。些細な事なら事件というわけでもないだろう。
誰も傷付かないのは何よりな事だ。
「まるで俺と話したから、口実を作ってるみたいだにゃ〜。」
「・・・へ、へ〜。」
土御門の言葉に当麻は明らかに動揺していた。
分かりやすい性格が自分でも嫌になる。
「まぁ、俺もステイルとの話しは楽しいからにゃ〜。」