とある魔術の禁書目録CP
□思い出砂時計
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これはステイルとインデックスがまだ思い出を共有していた1年間のうち1週間のお話
思い出砂時計
カシャ
教会の中でそんな音が響いた。
カシャ
それは光と共に断続的にインデックスの耳に届いた。
お祈りの最中に思わず椅子の上に横になって眠ってしまっていたインデックスは、ゆったりとした動作で身体を起こした。
教会の中にいたのは女の人だった。カメラを構えて教会のさまざなところを撮っている。
「あの〜。」
インデックスは立ち上がり、女の人に声を掛けた。
「ここは撮影禁止だよ?」
女の人は、はっ、と振り返り、インデックスの方を見た。
その顔は現実では見たことのないほどの美しさだった。
まるで絵画に描かれたマリアのよう。
「ごめんなさい。教会があまりにも綺麗だったから。」
女の人は素直に謝り、申し訳なさそうな微笑みを返した。
「気持ちは分かるけど、規則は規則だからね。あ、でもローラさんに訊いてみたら意外に許してくれるかも。」
インデックスは自分の上司の顔を思い浮かべて、あの適当な人なら特例を出すかもしれないと思った。
「訊いてみる!」
インデックスは微笑を浮かべて、女の人の答えも聞かないで教会の奥へ行ってしまった。
残された女の人が唖然としているのも気づかずに。