とある魔術の禁書目録CP
□ただの幸せを
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「日本では2月14日にお世話になった方に手作りのチョコレートを渡す日なのでございましょう?」
オルソラが突然そんな事を言い出した。
「・・・・・・・。」
ステイルは頭を抱えて考える。
何だその微妙に間違った日本文化の知識は。
何故それを自分に言うのか。
「・・・土御門ー!また変な知識を与えるな!」
ステイルの額に青筋が浮かぶ。
「というわけなので、一緒にお作りしませんでしょうか?」
オルソラがシスターらしい綺麗な微笑むで首を傾げる。
「何故僕がそんな事をしなくちゃならないんだい?だいたい、世話になった人間なんていない。」
ステイルは呆れ声で言う。
「とても簡単に作れるのでございますよ。チョコ作り用のものを使えば湯せんするだけでよろしいのです。」
オルソラは自分のペースで会話をする。
「そうだとしても、僕には作る気はない。」
ステイルはきっぱりと断る。
「外国ではお洋服などなのですけど、日本ではチョコレートなんて不思議でございますね。」
「ただの製菓会社の陰謀だろう。」
「あら、そんな事はございませんよ?」
「ん?」
ステイルは訝しげに眉を寄せる。
2月14日にチョコレートを送るというのは、どこかのチョコレート会社が宣伝したのが始まりと聞いたが、違ったのだろうか。
「あの幻想殺しの彼がいるのではないですか。」
「何故、今、そこに戻るんだい?」
オルソラの会話のペースにステイルはガクッと項垂れる。
そして、思わず流しそうになったが・・。
「ちょっと、待て!何でそこに上条当麻が出てくるんだ!」
「陰謀とはまた、大変な事でございますね・・。」
「・・・・・。」
もうステイルにはオルソラの会話ペースについていけなかった。
「手作りチョコレート、一緒にお作りしませんか?」
オルソラがにっこり微笑んだ。
「もう、好きにしてくれ・・・。」
ステイル陥落。