とある魔術の禁書目録CP
□君がね
1ページ/4ページ
「ごほっ、何で君に看病されなきゃいけないんだ。」
ステイルがもの凄く不機嫌に言った。
「お前が俺の部屋で倒れるからだろうが。」
当麻も不機嫌に言う。
「そもそも僕はインデックスの様子を見に来たんだが?なぜ彼女がいないんだ。」
文句を言いながらも、風邪には勝てないのか、ステイルがごほっ、ごほっ、と咳き込んだ。
「仕方がねーだろ?姫神んとこに遊びに行っちまったんだからよ。」
当麻がそう言いながらステイルの背をさする。
いつもはマントにローブと着重ねしているステイルだが、今は黒のシャツとズボンのみだ。
ステイルの体温を感じる事が出来て嬉しく思う反面、こんな事を思うなんて自分も末期だな〜と少し悲しくなってたりする当麻だった。
「気安く、ごほっ、触るな、ごほっ。」
ステイルがそう怒鳴ろうとするが、咳が邪魔して上手く言えない様だ。
「そういう事は熱が下がってから言えって・・・。」
冷たいステイルのセリフにガクッと項垂れる当麻だが、手が払われないだけマシかな〜とポジティブに考えるが、何でこんなに片思いは悲しいのかな〜と切なく思ってしまう。
「それに、何で僕がここで風邪を治さなきゃけないんだい?さっさとイギリスに帰って休めばいい事で・・・。」
「その帰る途中に倒れられても困るからだろうが。」
そんなに自分と一緒にいるのは嫌なのかと、当麻はため息をつく。
そのため息をどう受け取ったのか、ステイルはむっとして言い返した。
「この程度の風邪で倒れるくらいなら、ネセサリウムなどにいないさ。」
「現に倒れてるから心配してんだろうが。」
突然やってきて、インデックスがいない事を確認する前に倒れてしまったステイル。
身体は熱く、息は荒く、咳が酷い。
完璧に風邪だった。
「1番不可解なのはそれだ。なぜ君が僕を心配する?何回も言うけど、僕は君の敵だ。インデックスが悲しむから手を出さないだけで、本当はこの場で即座に燃やしたいと思っているんだ。」
ステイルの言葉にますます切なくなる当麻。
「ん〜え〜と、だな。」
質問の答えを模索して、当麻は目を泳がせる。
“好きだから。”
“一緒にいたいから。”
などと言えば確実に燃やされるだろう。
「ほら、前の建宮との戦いの時さ、インデックス守ってくれたろ!その礼だ、礼!」
「随分、古い話だね・・・。」
ステイルが呆れた声で呟く。
「まぁ、いいじゃねーか!あ、そうだ。おかゆ作ってくる!風邪の時はちゃんと飯を食わなきゃ治らねーって言うしな!」
明らかに不自然な言動を残して、当麻はキッチンへと向かった。
「・・・・。」
ステイルはもう一度小さくため息をついた。