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□信愛なる奇妙な・・・
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外套と帽子を脱ぎ、掛けると書き物机の前に座った。
そして、机に頬杖をついて、先程の考察途中だった事柄を再び考え始める。
なぜ、あんなにも面白くないと思ったのだろうか。
友達が他の人と仲良くするのを不快に思う程、自分は狭量のない人間だったのだろうか。
それとも彼の事を自分は心配しているのだろうか。
彼の身の上を考えれば、なるべく親しい人は少ない方がいいだろう。
だから、彼とマーリーが仲良くなる事を杞憂に思って・・・。
いや違う。あれは心配とかじゃなくて、明らかに不快とか不愉快という感情の類だった。


「・・・なぜだ?」


考えても埒が明かない謎。
このまま放棄してもいいのだが、それでは心持ちがすっきりしない。
冗談的な考えでもいいから、1つ1つ挙げてでもいこうか。
私が彼に恋をしている、とか。


「・・・・・・。」


ピタッとはまった。
改めて考えてみて、ピタッとはまった。
家に入る前に考えていた時はありえないと思ったが、正解にピタッとはまった気がした。
そうなのか、そうなのか。
私はレーイに恋をしたのか。


「・・・いやいや、ありえない、ありえない。」

「何がありえないんだい?」

「ぬはぁ!?」


たぶん、この時の私の驚き声は今まで出した中で一番大きいものだっただろう。
私が慌てて振り向くと、話の張本人がいた。
綺麗な顔立ちが目に飛び込んでくる。
先程まであんな事を考えていた所為か、私は彼の顔がまともに見れずに視線を逸らした。


「いや、何でもない。」


私は首を横に振ると立ち上がった。


「いらっしゃい、今お茶を入れるよ。」


逃げる様にしてしまったが、私はいつものようにキッチンへとお茶を入れに行く。
まぁ、美味しくもない紅茶ではあるが淹れないなら淹れないで、我が客であり友人である彼は文句を言う。
ポットとカップを用意し、お湯を沸かす。
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