オリジナル小説

□sora 0
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sora


気付いたら漂っていた。
この世界を。
俺は一体何なんだろうか?
自問しても答えは、いっこうに分からなかった。
しばらくすると、俺は人間には見えない事が分かった。生者も死者も、俺を見る事ができないと分かった。
しかし、死に近い者だけが俺を見る事ができた。
だったら、俺は死神なのだろうか?
しかし、一瞬死に近付いた者でも、俺のおかげで死から離れた者もいた。
だったら、俺は天使なのだろうか?
しかし、俺のせいで死んだ者ももいた。
だったら、俺は悪魔なのだろうか?

「貴方は誰?」

死に近き者に問われた。

「俺は死神のような存在でもあり、天使のような存在でもあり、悪魔のような存在でもある。だけど、人間だけは違うんだよな・・・。」

気付いた時から持っていた古びた剣と共に俺はこの世を漂う。
死に近き者にしか干渉できない、この存在。
死神と畏怖され、天使と崇められ、悪魔と恐れられる偶像。
たぶん、それが俺。

今日も死に近き者が俺を見る。

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