とある魔術の禁書目録CP2
□両手に花
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「上条ちゃん、これあげますー。」
小萌先生から貰った物、それは温泉の招待券だった。
「・・・はぁ?」
俺は受け取るも、首を傾げてしまう。
「懸賞で当たったんですけど、とある教授に論文の資料を頼まれてしまったのですよ。なので、先生は行けません。代わりに友達2人を誘って、上条ちゃんが行ってきてください。」
そう小萌先生は説明するが、まだ疑問点はあった。
「で、何で俺なんですか?」
「他の子に声をかえたんですけど、女子は全員学園都市内にできた新しいテーマパークに遊びに行ってしまうのですよ。」
それに俺は思い出す。
インデックスがそんなような事を言っていた事を。
クラスのメンバーでもないインデックスも連れて行ってくれるなんて心優しい奴らだ。
その優しさを何で男子にも少しで良いから分けてくれないのか、とその時は複雑になったものだ。
「男子も個々に用事がある様なのですよー。で、上条ちゃんが最後なのです。なかなか伝える機会がなくて最後になってしまって、ごめんなさいですね。」
小萌先生の申し訳なさそうな顔に俺は首を振る。
どうせ小萌先生の事だ。俺の前にこの招待券が欲しいと言った奴がいても、まず俺に聞いてから渡すだろう。
生徒思いの良い教師。それが小萌先生だ。
「と言う事で、楽しんできて下さいねー。」
小萌先生は手を振ると、自分の車に乗り込んで学校から去って行った。
・・・さて、誰を誘うべきだろうか。
俺が最後と言う事はクラスの全員が無理なんだから、土御門、青髪ピアス、吹寄、姫神、俺と仲の良い奴全員ダメって事だ。
インデックスももちろんテーマパークへ行くので連れて行けない。
「・・・・・・。」
俺が思い浮かべたのは赤と白。
この頃気になる2人である。
なぜ気になるのかは至って不明であるが。
「・・・2人ともたまーに悲しげな顔するんだよな。」
その顔を思い浮かべて、俺は2人を誘う事を決心した。