とある魔術の禁書目録CP2

□お茶会
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「上条当麻は紅茶を飲まないのかい?」


いつものように上条宅に常備してある麦茶を出されて、ふと疑問に思ったステイルは尋ねた。


「うっ・・・。」


その質問に当麻はなぜか、ついにこの質問が来た!っと言うような顔をして、言葉を詰まらせる。


「そういえば、そうだね〜。わたしもイギリス人としては紅茶が飲みたい時もあるけど、当麻の家にはないもんね。」


寝転んでスフィンクスと戯れていたインデックスが起き上がり、首を傾げる。


「紅茶、ねェ〜。俺はコーヒー派だな。」


一方通行が出された麦茶を一口飲んだ。
ステイル、インデックス、一方通行という一種奇妙な組み合わせが当麻の家で無防備な程にくつろいでいるのは、傍からして不思議に思うだろう。
しかし、本人たちにはこの光景がもう当たり前になっているので、まったく気にした様子はなかった。
皆、当麻がここにいるから自分もいる。
ただそれだけなのだ。


「だが、ここにはコーヒーもないが?」


ステイルが言うと、一方通行が気付いたように当麻を見る。
3人の視線に晒されて、当麻は挙動不審に麦茶を出す時に使ったお盆を弄ぶ。


「いや、さ。俺もステイルとインデックスはイギリス人だし、やっぱ紅茶が好きなのかなーっては思ってたし、一方通行も大人買いするほどコーヒーが好きってのも知ってたけどさ・・・・。」


当麻がしどろもどろに答え始めた。
どうやら当麻も紅茶やコーヒーの事については気にしていたようだ。


「・・・高い・・・んだよな。」


その言葉は絶望と共に当麻の口から零れ出た。


「別に・・・本格的に茶葉の紅茶でなくても、僕は別にいいんだが・・・。最近のイギリスの一般家庭ではティーバッグが主流だよ。」


ステイルのフォローに当麻は少し不満そうにむぅ〜、と唸る。


「でもさ〜、大好きな奴にはやっぱ、それなりに美味しいモノを出したいしさー。だから、インスタントはな〜。」


当麻の『大好き』と言う言葉に、インデックスは嬉しそうに顔を綻ばせ、ステイルと一方通行は照れ臭そうに当麻から視線を外した。


「・・・たまには豪華にお茶会とかしてみたいよな〜。」


別にお茶会は豪華なものではないのだが・・・。
と思いながらも、ステイルと一方通行は少し考え込んでいた。
できるかもしれない、と心の中で呟きながら。
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