とある魔術の禁書目録CP2

□ホワイトチョコ
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「・・・・・・。」


無言で進路に立ち塞がれた。
当麻は思わず後ずさる。
なぜそんなに怖い顔をしてるんですか?


「たまたまよ!偶然だからね!」


その当麻の前に立ち塞がった者はそう怒鳴る。
何がですか?


「クラスの皆にあげた分が余っただけだなの!」


そう彼女、美琴はほんのりと顔を赤らめて捲くし立てる。
だから、何の事ですか?


「あら、私はもらって・・・。」

「うるさい!!」


美琴の傍らにいる黒子が何かを言いかけるが、美琴は何かでいっぱいいっぱいな様で、本気の形相で怒鳴った。
怖い、何かとてつもなく怖い!
自分に何の用か分からないが、これは逃げた方が良いんじゃないかと、本気で当麻は思った。


「あ・・・えーと、上条さん急ぎの用事があるので・・・また今度にでも。」


当麻がおそるおそるこの場を逃げようと後退する。

ガシッ

思いっきり右手を掴まれた。


「に〜が〜さ〜な〜い〜わ〜よ〜。」

「御坂さん!怖い、怖い、超怖い!俺がいったい何をしたって言うんだよー!」


低い声で脅しかける美琴に当麻は思わず涙目で叫ぶ。


「というか、あんたでも今日は何の日か知ってるでしょ!」


美琴の言葉に当麻は、はて?と考え込む。


「えーと、今日はバレンタインだろ?」


そして、1つの結論を導き出した。


「そうよ!」


美琴はなぜか小さくガッツポーズをしながら頷く。


「それが、この状況と何が関係あるんだ?」


当麻は首を傾げた。
何が悲しくて、バレンタインに女の子から脅しを受けなければいけないのだろうか。
ましてや、美琴からチョコが貰えるというわけでもないし。


「あんた、鈍過ぎなのよ!!」


美琴が信じられない、と言うように絶叫した。
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