とある魔術の禁書目録CP2
□キャンドル
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こんなにも人を好きになるなんて初めてだから、とても戸惑った。
インデックスの時でさえ、こんな思いにならなかったのにだ。
思い返せば、愛情よりも友情や同情の方が勝っていたのかもしれない。
しかも、今の自分の立場は与えられる方で与える方じゃない。
インデックスの時は自分が彼女の記憶を助けるんだと、思い出になってあげるんだと、気持ちも物も全てを与えていた。
それにインデックスも応えてくれたのだ。
しかし、今は与えられるだけ与えて貰って、返していない。
自分のプライドの高い性格も災いしての事だろう。
彼は自分より年上で、いつも余裕の態度でいるから、つい反抗してしまうのだ。
それでは駄目だと、同僚にいつも言われるのだが、自制できないのだ。
彼の事が好きだからなおさら。
好きな人の前では格好良くありたいと思うのが普通だろう。
しかし、彼の方が格好良すぎるからいけない。
いつも恥ずかしい事をさらりと言われて、赤面させられて、自分が言えない事を言ってしまう彼が悔しくて、つい反抗してしまう。
そして、喧嘩をしてしまうのだ。
彼はこんな自分を呆れているだろう。
告白は彼からだったけれど、その行為をたぶん後悔しているだろう。
だいたい、男である彼が自分を好きになるなんて、本当はありえない事なのだ。
女性ならまだしも、こんな口が悪くて、生意気な年下なんて、彼が好きになるはずがない。
好きになったとしても気の迷い。
それともからかって遊んでいるのか。
後者は優しい彼の事だから、絶対ないと思うが・・・。
「・・・・・・。」
ステイルはそこまで考えてため息をついた。