とある魔術の禁書目録CP2
□恋人day
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「あ、お姉様。」
学校の放課後、廊下を歩いていると、黒子に声をかけられた。
「どうしたの?」
美琴は立ち止まり、首を傾げる。
「今日、映画を見に行かれるのですわよね?」
「うん、そうだけど?」
確かに美琴は、今話題の映画を見てみたいと思い、今日に映画館へ行く予定を入れていた。
「今日はカップルデ―ですわよ。」
「・・・は?」
黒子の言葉に美琴は思わず唖然としていしまう。
カップルデー?
「今日は、男女2人で行くと、値段が半額で見られますのよ。」
その説明に、美琴は納得する。
カップルで行くと、値段が半額になるからカップルデー・・・。
「ですから、私がお姉様の為に男装をしますので、ご一緒に行きませんか・・・あら?お姉様?」
黒子が何か恍惚とした表情で言っていたが、美琴は無視して走った。
玄関を出て、真っ先に、アイツが通るであろう道へ。
「ふふん♪居たわね。」
そして、美琴は見つけた。
「はい?」
上条当麻を。
「ちょっと、顔を貸しなさい。」
美琴が指でちょいちょい、と呼ぶと、当麻は顔を引き攣らせ、後ずさりを始めた。
「えーと、上条さん、何かしましたか?」
なぜ敬語になる。
「何もしてないわよ。」
美琴はなぜそんな行動に出るか分からず、憮然とする。
「だったら・・・俺にはそんな渡せる金なんてねーんだけど?」
「たかってもいない!!」
思わず美琴は怒鳴り、電撃を自分の周りに帯電させてしまう。
「何で私があんたからお金をたからなきゃいけないの!むしろ、私の方がお金持ってるんだから、あんたがたかるべきでしょ!」
「えーと、たかっていいの?」
「それを本気で聞くな!!」
美琴がつい放ってしまった電撃を当麻が、ひっ、と叫びながら右手で打ち消す。
「とにかく!あんたは私と一緒に来れば良いの!」
美琴は問答無用で、当麻の左手を掴んで、引きずりだした。
「あ、ちょっと、それ、ズルイ!電撃、打ち消せねーじゃん!」
わたわたと当麻が暴れるが、無視だ。
「さっさと来なさい!」
大覇星祭でも、当麻を引きずって1位でゴールした美琴だ。
当麻など軽々引きずって歩いてしまう。
その表情はご機嫌そのものであった。