とある魔術の禁書目録CP2

□助けたくなる人
1ページ/5ページ

ドンッ


「キャッ!」


風紀委員の詰め所に行く途中、突如誰かにぶつかってしまった。


「も〜、何で!?」


文句を言おうとすると、突如口を押さえられ、路地裏の物陰に連れ込まれた。


「しーっ!」


切羽詰まった声が頭上から聞こえる。


(あら?)


その黒子を連れ込んだ相手はよく知った顔だった。


「何処行きやがった!」

「見つかったか!?」

「いや、いねー。」

「クソッ!向こうを探せ!」


風紀委員としては良く聞く不良の声が表の方から聞こえた。
どうやら、彼はこの不良達に追いかけられていたようだ。
不良達が去っていく。


「はぁ〜、よくやく捲けた・・・。」


それと共に、彼は黒子を解放した。


「あ、ごめんな。大声出されたら、ちょっと困った事になりそうだったからさ・・・。」


彼は再び、ごめんっ!と両手を合わせた。


「まぁ、仕方がありませんわ。そう言う事でしたら。」


黒子はふぅ、とため息をついて首を軽く横に振る。


「ん、ありがとな。」


彼は少し照れた笑いをした。


「それにしても・・・なぜ、あんな不良に追いかけ回されていますの?」


黒子は首を傾げる。
不良に追いかけられるような非行をするふうに彼は見えない。


「あ〜、知ってるか?この前、レベル5がレベル0に倒されたって。」


彼が少しだけ言いにくそうに言った。
それは黒子も知っている。
けっこう厳重な情報規制がされているようだが、生徒間の噂までは規制できなかったようだ。
そんな噂が常盤台でもなされていた。
そのレベル0を倒せば、自分が学園都市1位になれるのでは、という噂も。


「そのレベル0って・・・俺なんだよな。」


そう言われて、黒子は彼をマジマジと見た。
この彼が?
この原始人が?
このお姉様を貶め様とする原始人が?
この上条当麻という名の原始人が!?


「だから、俺・・・不良に追いかけられるんだよな〜。」


当麻は、不幸だ〜、と嘆いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ