とある魔術の禁書目録CP2

□幸せ
1ページ/6ページ

いつも不幸の始まりは唐突だ。


「あー、さみー。」


冬のある日。
3月だというのにまだ冬だ。
当麻は学校からの帰り道をただ歩いていただけだった。
その時、ドンッ、と後ろからぶつかられた。


「おわっ!?」


油断していた当麻は地面へと倒れこむ。
これはいつも通りの不幸だ。
しかし、今日はたまたま近くを歩いていた人を巻き込んでしまった。


「いっつ・・・えーと、大丈夫か?」


当麻は身体を起こしながら、下敷きにしてしまった人を見下ろす。


「こんな往来で大胆な人ですね、とミサカは頬を赤く染めて言います。」


御坂妹だった。
彼女の言葉に当麻は今の自分の状況を確認する。
不可抗力とはいえ、当麻は“御坂妹を押し倒している”。


「ですが、貴方のためなら・・・とミサカは頬を極限まで赤らめます。」

「うわああ!!」


当麻は慌てて身体を御坂妹から退けた。


(なんでこんな事になるんだ。やっぱり、俺って不幸!)


ポンッ

退いた拍子に手が他の人に当たってしまった。
しかも当たった手に伝わる感触は柔らかい。
当麻はおそるおそる手を当ててしまった人を見る。
美琴だった。
そして、手は案の定美琴の胸に。


(怒られるっ!)


当麻は慌てて手を退ける。
が、美琴は頬を赤くしていた。


「何、こんな往来で大胆な事をしてんのよ!あ・・・でも、あんたが触りたいっていうな・・・。」

「なんてーか、さすが同じ遺伝子!!言ってる事が同じなんですけどー!」


当麻は思わず後ずさりをしてしまう。
何か、皆さん、様子がおかしい。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ