とある魔術の禁書目録CP2

□大好き
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ガラス越しにステイルの眺める。
インデックスが過ごしているこの部屋で煙草を吸いたくないらしいので、ステイルはベランダで吸っている。
窓も閉めて、煙が中に入らないように。
だから、当麻がステイルを眺めるのはガラス越し。
煙草を指に挟み、軽く吸い込んで、煙を吐く。
煙草の煙は苦手だが、ステイルが煙草を吸う仕草は好きだった。
とても14歳とは見えない程、カッコイイ。
吸い終わったらしく、ステイルは煙草を指ではじき、投げ捨てる。
一瞬にして煙草は燃え上がった。
その仕草もカッコ良かった。


「なんだい、そんなに見て。君も吸いたいのかい?」


窓を開けて入ってきたステイルが煙草を差し出してくる。


「あ、わりー。別にそんなわけじゃねーんだけど・・・。」


なんの疑問もなく煙草を差し出してくるステイルに当麻は思わず苦笑してしまった。
ステイルは不思議そうに首を傾げる。
その顔は年相応となり、とても可愛らしい。
男に向かって可愛いとか思ってしまう自分はもう末期なのだろう。
だが、カッコよさの合間に見え隠れするこの可愛さにはまってしまったのだから、仕方がない。


「ん、さて、と。ステイルがいる事だし、英語の宿題でもするかな〜。」


当麻はその話は打ち切りと言わんばかりに、机に向かった。


「じゃあ、僕は本でも読んでいようかな。」


そう言って、ステイルは本棚に向かう。
本と言っても当麻の本棚には漫画しかない。
しかし、あまり漫画に触れていなかったのか、ステイルは興味深そうに読むのだ。
しばしの間、静かな空気が部屋の中に流れる。
当麻はチラリとステイルを盗み見た。
真剣にその読む顔。
無表情でも、目の奥に楽しさが垣間見える。
当麻の好きな顔の1つ。
不意にステイルが顔を上げて、目が合ってしまった。


「ん?どうした?」


見ているのがばれたかな?と思いながらも、尋ねる。


「あ、いや・・・。」


ステイルが少し戸惑った感じで目を伏せた。
伏せた先にカップがあるような気がした。


「あぁ、紅茶のおかわりか?」


空になったステイルのカップ。
当麻はそれを持ち上げて、立ち上がる。


「そう、遠慮しなくてもいいぜ。」


当麻はキッチンに行くついでにと、ステイルの頭を撫でた。
サラサラとした髪が当麻の手に触れる。


「僕が君に遠慮するわけないだろう?」


むっとした子供っぽい顔に、はいはい、と当麻は苦笑する。
ステイルの仕草、1つ1つに目が行って、釘付けになりそうだ。
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