とある魔術の禁書目録CP2
□前を向いて
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「俺、ステイルの事、好きだ。」
告白された。
突然の事にステイルは唖然と当麻を見返した。
今日、ステイルは神裂にインデックスの様子を見てくるように頼まれて、当麻の家を訪れた。
しかし、インデックスはいなくて、もう少ししたら返ってくるからと、当麻に無理矢理、家に留められたのだ。
雑談をしていて、不意に会話が途切れた時、その言葉は言われた。
「っ・・・。」
思わず出かかった言葉をステイルは飲み込む。
これは、言ってはいけない言葉だ。
だからステイルは別の言葉を口にした。
「・・・インデックスは?」
気持ちを抑えるのに必死で、端的な言葉しか言えなかった。
「ん〜、あいつは恋人とか彼女って言うより、妹って感じだしな〜。」
共同生活が長過ぎて、親愛しか浮かばない、という事だろう。
「だが、インデックスは君の事が好きだが?」
周りの誰もが周知の事実。
彼は気付いていなかったようで、言うのは気が引けたが、この場合は仕方がないだろう。
「・・・マジ?」
当麻は本当に知らなかったと、驚いた。
彼はどこまで鈍いのだろうか。
「君を好いている女性がいるんだ。何も男に走らなくてもいいだろう。」
ステイルは顔を見られたくなくて、立ち上がり当麻に背を向ける。
「男とかじゃなくて、俺は・・・。」
「知っているだろう?」
当麻の言葉を聞きたくなくて、ステイルは遮るように言った。
「僕はインデックスの事が好きだ。だから・・・。」
ステイルは一拍間を開ける。
その言葉を言うには勇気が必要だったから。
「インデックスに好かれている君の事が、大嫌いだ。」