とある魔術の禁書目録CP2

□半分に
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駅前の広場は休日という事もあり、たくさんの人で溢れ返っていた。
待ち合わせをしているであろう人達も数多く見受けられた。
そのうちの1人が彼女だ。


「よっ!美琴!」


当麻が片手を挙げながら挨拶をすると、美琴がこちらを振り返った。


「おっそいわよ!!何分待ったって思ってるの!!」


出会ってそうそうの文句。
しかし、当麻はそれに機嫌を損なうどころか、笑みを浮かべた。
今日は早めに出たからか、不幸に遭ったが待ち合わせ時間よりも5分早く着いた。
美琴はそれより前に何分待ってくれたのだろうか。
そんなにも自分と出かける事を楽しみにしていてくれたのかと思うと、思わず顔がにやけてしまう。


「何、笑ってるのよ!」


美琴が怒っているのに反応示さない当麻に焦れて、再び声を上げた。
怒った顔も可愛いのが美琴だ。


「今日も、美琴が可愛いなって思ってさ。」


その当麻の言葉で一気に赤くなる美琴。


「う、うるさいわね!!あ、あんただって、あんただって!」


怒鳴り、恥ずかしさを紛らわそうとしているようだが、美琴はますます赤くなっていて逆効果だ。
不意に美琴は目線を落として、小さな声でポツリと言った。


「・・・かっこいいんだからね・・・。」


当麻も思わず顔を赤くしてしまった。
違った。恥ずかしさを紛らわしていたのではない。
これを言うための勢いをつけていたみたいだ。


「・・・あ、ありがと・・・。」


礼を言いながら、美琴を見る。
俯き、耳まで真っ赤にして顔を赤くする美琴を。


(ヤバい!今、すっごく美琴を抱きしめたい!!可愛すぎだろ!)


しかし、ここで抱きしめたら、美琴が怒る事は必須だ。


「とりあえず、行くか。」


ここで抱きしめられないなら、抱きしめられる所に行けばいいか。
と短絡的な思考で、当麻は歩き出す。


「そ、そうね!」


それを追って美琴も歩き出した。
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